SNSなどで投稿する際、ナンバープレートにモザイク処理をしていることがあります。ナンバープレートの表記ではどこまでの個人情報が分かるのでしょうか。
■巷で聞かれる「ナンバープレートで個人情報がバレる」は本当なのか
クルマの写真をSNSなどで投稿する際、ナンバープレートにモザイク処理をしていることがあります。
では、ナンバープレートの表記ではどこまでの個人情報が分かるのでしょうか。
テレビ番組などでも、街中などで映り込んだナンバープレートにモザイク処理をかけていることがあります。
またSNSなどでは「ナンバープレートは個人情報なので晒しません」や「ナンバープレートで個人情報割れるらしいよ」という声が見受けられます。
一方で、「未だにナンバープレートで個人情報わかるって思ってる人いるらしい」、「ナンバープレートだけで住所とか特定できないよね?」という真逆の声も。
さらにはモザイク処理を掛けていない投稿に対して「モザイクしなくていいの?」というコメントも見受けられます。
では、クルマのナンバープレートから所有者の個人情報が分かることはあるのでしょうか。
国土交通省の自動車局担当者は、次のように説明しています。
「ナンバープレートの情報だけでは、『登録事項等証明書』という書類は請求出来ません。そのため、詳しい個人情報を知られることはないです」
登録事項等証明書とは、車検証に記載された所有者の氏名や住所、使用の本拠地といった個人を特定する情報。
さらにそのクルマの大きさや重量などが記載された重要な書類です。
登録事項等証明書を請求するには何が必要となるのでしょうか。前出の国土交通省担当者は次のように話しています。
「登録事項等証明書の請求には、ナンバープレートに表記されている全ての情報と車台番号下7桁の数字が必要です。
他人に請求されないために、両方が露呈しないように注意してください」
ナンバープレートには、使用本拠地の「地域名」、3桁の「分類番号」、「ひらがな」、そして4桁の「一連指定番号」が表記されています。
一方、車台番号とは国土交通省がクルマに1台ごとに割り振る識別番号のことです。
クルマが製造され、国に登録された段階で車体に刻印されます。
なおナンバープレートの表記は、所有者や本拠地が変わる毎に新規発行されます。
しかし車台番号はそのクルマを廃車にするまで一貫して変わることはありません。
また登録事項等証明書には、現在の登録事項等がわかる「現在登録証明書」と新規登録からの履歴がわかる「詳細登録証明書」が存在します。
申請料は前者が300円、後者が1000円で運輸支局や自動車検査登録事務所で請求可能となってます。
■実は…昔は「ナンバープレート」の情報だけで個人情報がわかった? どういうこと?
このように登録事項等証明書は重要な書類ということが分かります。
そのため、第三者に渡れば個人情報が漏洩する可能性があります。
なお国土交通省の省令である自動車登録規則第22条において、次のように明記されています。
「何人も、国土交通大臣に対し、登録事項その他の自動車登録ファイルに記録されている事項を証明した書面の交付を請求することができる」
これによりかつては公正の観点から、ナンバープレートの情報のみで登録事項等証明書を請求できる制度となっていました。
しかし、登録事項等証明書を不正に請求する事例が見られ、窃盗や恐喝といった犯罪行為に発展したこともあるようです。
こうした背景も踏まえて2007年に省令が改定され、第26条第1項において「交付請求に係る自動車登録番号及び車台番号」が必要になるようになりました。
そのため現在ではナンバープレートの情報のみで個人情報が漏洩することはありません。
しかし、ナンバープレートには「地名」が記載されており、おおよその使用の本拠地は分かります。
その他、前述のSNSのようにいまでも「個人情報が漏洩する」というイメージを持っていることもあり、安易に公に公開するのは良からぬトラブルの元になると言えるため、避けたほうが良いでしょう。