2023年11月10日、JAFは警察庁と合同で実施した「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」の結果を公表しました。6歳未満の子どものチャイルドシート使用率は76%と過去最高を記録したものの、約4分の1は未だ使用していない実態が浮き彫りとなっています。
■チャイルドシートは設置すれば良いってもんじゃない!?
JAFは11月、「チャイルドシート使用状況全国調査」の結果を公表しました。
6歳未満の子どものチャイルドシート使用率は76%と過去最高を記録したものの、約4分の1は未だ使用していない実態が浮き彫りとなっています。
では、具体的にはどのような状況が見られたのでしょうか。
2023年11月10日、JAFは警察庁と合同で実施した「チャイルドシート使用状況全国調査(2023)」の結果を公表しました。
この調査は2023年6月3日から7月17日までの間、全国でチャイルドシート使用状況や取付け状況、着座状況をそれぞれ調べたものです。
チャイルドシートに関しては道路交通法第71条の3第3項の規定により、ケガや障害など一定の理由がある場合を除いて、6歳未満の子どもをクルマに乗せる場合には使用が義務付けられています。
今回の調査結果では、6歳未満全体のチャイルドシートの使用率が76%となり、2002年の調査開始以来、過去最高を記録しました。
しかし、この記録に対してはSNS上で「過去最高でこの結果なのか・・・怖いな」「約4分の1は付けていないってことだよね?危なすぎ」といった反響が多く寄せられています。
では、チャイルドシートを使用していないドライバーは具体的にどのような方法をとっていたのでしょうか。
前述の調査によると、チャイルドシート不使用(全体の24%)の内訳は「車両シートにそのまま着座」が10.6%、「大人用シートベルト着用」が5.4%、「チャイルドシートにそのまま着座」が5.3%、「保護者の抱っこ」が2.7%という結果でした。
また年齢層別のチャイルドシート使用率では1歳未満が92%、1~4歳が78.7%、5歳が55.5%と、子どもの年齢があがるにつれて使用率が低下する傾向も明らかになっています。
このようにチャイルドシートを使わない状態で交通事故に遭った場合、子どもが事故の衝撃でフロントガラスに叩きつけられたり、車外に投げ出されたりするおそれがあります。
また保護者が子どもを抱っこしていても、腕からすり抜ける、座席と保護者の間に挟まるといった危険も想定されます。
SNS上ではチャイルドシートを使用しなかった経験のあるドライバーから「抱っこひもを使っていた」「子どもが泣き叫んで嫌がるので膝に乗せていた」という声も聞かれますが、子どもの安全を第一に考えてチャイルドシートを使用すべきといえるでしょう。
さらにこの調査ではチャイルドシートの取付け状況に関して、取付けていたケースのうち38.1%が使用方法を誤っている「ミスユース」の状態であったことも明らかになっています。特に「腰ベルトの締め付け不足」は乳児用シート、幼児用シートともに最も多いミスユースでした。
腰ベルトの締め付け不足とは、クルマのシートベルトのうち腰にかかる部分をチャイルドシートに通して座席に固定する際、シートベルトが緩んでいてしっかりと固定されていない状態のことをいいます。
たとえチャイルドシートを使用していても、正しく取付けできていないと効果が減少してしまうため、チャイルドシートの取扱説明書をよく確認することが重要です。
そして子どものチャイルドシートの着座状況について調査した結果では、全体の52.1%が座り方を誤るミスユースの状態だったことも判明しています。
乳児用シートと幼児用シートの場合は「ハーネスの締め付け不適正」が、学童用シート(いわゆるジュニアシート)では「体格不適合」が最も多くなりました。
ハーネスは子どもの体を固定するベルトですが、緩まないよう体にフィットさせることがポイントです。
また、子どもの体の成長に合わせてシートを使い分けることも大切といえるでしょう。
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今回の調査では、チャイルドシートを使用している場合でも取付け方法や子どもの座り方などが誤っているケースが散見されました。
万が一の事故の際に子どもの安全を守れるよう、正しいチャイルドシートの利用を心がけましょう。