冬用タイヤは溝がちゃんと残っていると思っても、雪道ではしっかりとした効果が発揮されないため使ってはいけない場合があるといいます。どのように見分ければイイのでしょうか。解説します。
■見た目は大丈夫でも使えない“冬タイヤ”!? しっかり確認する方法とは
冬用タイヤは溝がちゃんと残っていると思っても、雪道ではしっかりとした効果が発揮されないため使ってはいけない場合があるといいます。使える状態かそうでないかは、どのように確認すればいいのでしょうか。
スタッドレスタイヤは夏用タイヤと比較してゴムが柔らかく、太くて深い溝やギザギザの切り込みがたくさん入っているなど、外見でも違いが確認できます。
この柔軟性と、溝や切り込みの効果などによって雪や凍結した路面にもしっかりとグリップしますが、タイヤのゴムは時間の経過とともに劣化によって硬くなるほか、消耗して溝や切り込みが浅くなると、本来のグリップ性能を発揮できなくなります。
十分な性能が発揮できないと、積雪のある路面や凍結路面で滑りやすくなったり、ブレーキを踏んでから停止するまでの距離が長くなったりするほか、夏タイヤと比較して排水性能に劣るため、劣化したタイヤでは特に雨の日の運転が危険です。
そのため、スタッドレスタイヤの場合は、溝が十分に残っていて、目視では何も問題ないように見えたとしても、性能的に不足している恐れがあります。
法令で定められたタイヤの寿命は、夏用タイヤも冬用タイヤも同じく溝の深さが1.6mmとなっており、1.6mmよりも浅くなると車検に通りません。
さらに、ブリヂストンによると、スタッドレスタイヤの場合はタイヤの溝の深さが新品の50%まで減ると、冬用タイヤとして使用できなくなるといいます。
タイヤには残り溝の深さ1.6mmを示す目安となる「スリップサイン」があり、摩耗が進むとスリップサインが露出してくるため、これがタイヤを新しく買い替える目安となります。
さらに、スタッドレスタイヤにはスリップサインに加えて50%の摩耗の目安となる「プラットフォーム」が設けられています。
プラットフォームは、タイヤの側面に表示された「↑」のある位置を接地面までさかのぼったところの溝内にある、スリップサインに似たギザギザの突起で、この突起が露出してきたら、新品から50%程度摩耗してきたと判断できるため、新しいタイヤへの買い替えが必要です。
また、スタッドレスタイヤは雪の積もった路面や凍結した路面で性能を発揮するため柔らかいゴムが使用されていますが、乾いた舗装路面ではタイヤの減りが早いという特徴もあります。
それに加えて、タイヤは保管方法によっても劣化が進む可能性があるため、保管する時には直射日光の当たる場所や雨ざらしになる場所を避けて、車庫や倉庫の中など、涼しく暗い場所で保管するといいでしょう。
自宅に適切な保管場所を確保できない場合は、タイヤ販売店やガソリンスタンドなど一部の店舗で実施しているタイヤの保管サービスを利用するのもいいかもしれません。
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スタッドレスタイヤは、明らかなひび割れなど劣化が確認できる場合はもちろん、見た目に問題がなくても溝の深さによっては性能がしっかり発揮できない場合があるため、プラットフォームを確認するなど状態をチェックしておくことが大切です。
性能が十分でないタイヤで雪道や凍結路面を走行すると、スリップ事故を起こしてしまう恐れがあるだけでなく、大雪で立ち往生して交通をマヒさせてしまう可能性もゼロではありません。
タイヤ交換の時期が近づいたらタイヤの状況をチェックして、早めに買い替えや交換などの準備をしておくと安心です。