トヨタは中国向けに新型「カムリ」を発表しました。広州モーターショー2023でお披露目されたモデルにはどのような特徴があるのでしょうか。
■新型カムリ発表 中国独自デザインで2024年発売へ
2023年11月17日より開幕した広州モーターショー2023にて、トヨタは中国向けに新型「カムリ」を発表しました。
いったいどのようなクルマなのでしょうか。
カムリは1980年、2ドアスポーツカー「セリカ」の4ドアセダンモデル「セリカカムリ」として登場しました。
現行モデルは2017年に発表された10代目モデルとなりますが、日本では2023年12月下旬をもって国内販売を終了、次期モデルは海外専売モデルになるようです。
そして通算11代目モデルとなる新型カムリが2023年11月14日、まずはアメリカ合衆国で先行して発表されました(米国では9代目)。
カムリはアメリカで大きな人気を誇る車種となっており、2022年はアメリカ市場だけで29万5201台を販売しました。
毎回フルモデルチェンジが噂されるたび、デザインが明らかになっていなくても注文を希望する客がディーラーに殺到するほどの人気とも言われています。
新型カムリのデザインは内外ともに大幅に刷新され、フロントマスクは最新のクラウンやプリウスなどでもすっかりとお馴染みになった「ハンマーヘッド+コの字ヘッドライト」を採用しています。
また、以前のカムリといえば上級グレードにV型6気筒エンジン搭載のモデルを取り揃えていましたが、新型カムリではそれを廃止。
2.5リッター直列4気筒エンジンを搭載するハイブリッドモデルに一本化されました。
アメリカでは2024年春より各ディーラーにて順次デリバリーが開始されるとしています。
一方、カムリのもうひとつの重要な市場が中国市場です。
トヨタは中国で第一汽車との「一汽トヨタ」、そして広州汽車との「広汽トヨタ」の二つの合弁会社を設けていますが、そのうちカムリを製造・販売するのは広汽トヨタとなります。
カムリは2022年、中国にて約25万台を販売、広汽トヨタが販売した全販売台数の約4分の一がカムリという計算になります。
カムリにとって重要な「2大市場」のひとつである中国市場で開催される「広州モーターショー2023」にて、広汽トヨタは中国向けの新型カムリ(中国語名:凱美瑞)を発表しました。
前述の通り通算11代目となりますが、中国でも途中から導入されたために「9代目」として紹介されています。
新しくなった中国向けカムリは基本設計こそアメリカ向けと同一です。
しかしが、より中国の顧客層を重視し、内外装は中国独自のデザインとなっています。
エクステリアデザインはブラックグリルが特徴的なスポーティーなもの、そしてグリルレスで保守的な雰囲気を漂わせるラグジュアリーなものの2系統を用意しています。
前者は「SE」「XSE」グレードに、後者は「LE」グレードに採用されているデザインとなります。
また、内装も中国の消費者が好む先進性を重視したコックピットに仕上げており、特にインストルメントパネルやセンターディスプレイ周りにて違いが顕著です。
これ以外にも、車内に良い香りを提供するフレグランス機能や、静電容量式タッチパネル、AIを活用した音声認識、クアルコム製スナップドラゴン8155シップセットの搭載を主要な機能としてアピールしています。
アメリカでは2.5リッターハイブリッドとなりますが、中国向けは現時点で2リッター直列4気筒エンジンを搭載するハイブリッドモデルが明らかとなっています。
他のパワートレインも中国に投入するか否かについては、2024年に詳細を発表するとしています
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トヨタは広州モーターショー2023にて、電気自動車(BEV)だけでなく、プラグインハイブリッド(PHEV)やハイブリッド(HEV)、燃料電池車(FCEV)の全方位戦略に注力していくと改めて表明しました。
その新世代ハイブリッド戦略を担う重要車種にカムリを位置付けており、中国市場でのさらなる電動化を推し進めるとしています。
中国向け新型カムリの詳細や販売価格は2024年に発表予定とのこと。
カムリはこれまで中国で累計280万台を販売したベストセラーモデルということもあり、中国市場での新型モデルに対する期待値もかなり高いものとなっています。