2023年11月16日から4日間開催された「ラリージャパン」会場内で、ダイハツ車のカスタムブランドD-SPORTは「ハイゼット ジャンボ エクステンド」を実車展示しました。どのようなクルマなのでしょうか。
■オートサロンで公開の「荷台伸びる軽トラ」とほぼ一緒!
ダイハツ車のカスタムブランドであるD-SPORTは2023年11月16日から19日まで開催されたFIA世界ラリー選手権(WRC)最終戦「ラリージャパン」会場の豊田スタジアム(愛知県豊田市)内で、「ハイゼット ジャンボ エクステンド」を実車展示しました。
2023年1月末に開催された「東京オートサロン」で披露されていたコンセプトカーと類似する、斬新な機構が搭載されています。
ハイゼット ジャンボ エクステンドは軽トラック「ハイゼット トラック」のキャビン後部を延長した「ジャンボ」モデルをベースにカスタマイズされたモデルです。
エクステリアは鮮やかなレッドとブラックの2トーンに塗装されており、アルミホイールはレイズ「ボルクレーシング」ホイールを装着。
シートもブラック×レッドカラーで「D-SPORT」の刺繍が施されるなど、スポーティな装いで、ラリージャパンに出場した「コペンGRスポーツ」と同様のカラーリングとなっています。
通常荷台となる部分はキャノピーが装備され、テールゲート付きのパネルバンのような箱型の形状となっています。
キャノピーには荷物を出し入れするドアが設けられており、ラリー競技をサポートする工具などが積載されていました。
さらに、このハイゼット ジャンボ エクステンドは、キャノピーが後部に向かってスライドし空間が拡張するという、極めて斬新な機構が採用されています。
実はこの機構は、2023年1月の東京オートサロンでダイハツが出展していたコンセプトカー「ハイゼットトラック ジャンボ エクステンド」とほぼ同一で、公開時には車中泊やキャンプユーザーから熱い視線が注がれていました。
伸びしろは1200mmでこの点もコンセプトカーと同じですが、構造は少し異なっており、屋根だけが伸びる形になっています。
テールゲートにはカーテンが装備され、屋根が伸びた状態で3面全てを下ろすと幕を下ろしたタープテントのように、完全なプライベート空間が生まれます。
実際に公道を走れるモデルとして製作し、ラリージャパン会場内で公開した理由について、ダイハツの芝垣 登志男氏は以下のように話しています。
「ハイゼット ジャンボ エクステンドは、コンセプトカーと同じ世界観を持っていますが、今回はラリー仕様の『コペンGRスポーツ』と同じ仕様になっています。
オートサロンでの公開後に、社内で『(実際に公道を)走れるほうがいいよね』という話があり、せっかくラリージャパンに出るのなら作っちゃおうということで製作しました」
さらに、ラリージャパンで披露した背景について、このように説明します。
「最初はコンセプトカーと同じくトランポ(運搬専用車)にするつもりでしたが、ラリーをやっている方に話を聞くと、(現地では)着替えなどをするプライベート空間がないということを知り、それを解決するためにこうしたものを製作しました。
実際に使ってみると、昨日(ラリージャパン開催初日)は風も強かったのでとても便利で作ってよかったなと思います。
テントのように使えるので、着替えだけではなくて、さっきもこの中でご飯を食べたんですが、キャンプとかほかの使い道も結構あるなと感じました」
なお、このハイゼット ジャンボ エクステンドはこの1台のみということで、市販化についても未定としながらも、「販売してほしいという声があればもしかしたら実現するかもしれません」と話しています。