交通違反時、警察に止められて切符処理されるケースと指導警告で終わるケースにはどのような違いがあるのでしょうか。
■違反時の「注意」 どんな違反が該当するの?
交通違反をすると警察に反則切符を切られますが、ドライバーの中には「注意されただけで済んだ」という人もいます。
では、警察に止められて切符処理されるケースと指導警告で終わるケースにはどのような違いがあるのでしょうか。
クルマを運転していると、ときどき交通違反をして警察官に切符を切られているドライバーを見かけます。
多くは交通反則告知書、いわゆる青切符を交付されており、交通違反に応じて点数の加算と反則金の納付が求められます。
しかし、警察に止められたドライバーの中には「速度オーバーで白バイに止められたけど、白バイに気づいた時点でスピード落としたら切符切られなかった」「口頭注意で済んだ」という人もおり、必ずしも切符を切られるとは限りません。
では、警察に止められて切符処理されるケースと指導警告で終わるケースにはどのような違いがあるのでしょうか。
実は、警察官の交通取り締まりは「交通指導取締り基準」に基づいておこなわれています。
たとえば駐車違反の取り締まりについては、違反の検挙やレッカー移動をする際の判断基準となる時間などが決められています。
また一時不停止の違反に関しても、「停止線を時速○kmで通過した場合に検挙する」といったような一定の基準が設けられています。
つまりこれらの検挙基準を満たせば切符処理、それに満たないものは指導警告となるため、同じ交通違反でも違反者への対応に違いが出るというワケです。
過去には「交通指導取締り基準」について示した資料の開示請求が多数おこなわれているものの、いずれも公表には至っていません。
公表しない理由については、「基準の範囲内であれば違法でないとの誤った認識や警察が交通違反を容認しているという誤解を招くおそれがあり、交通違反を助長する結果につながるため」です。
確かに、検挙基準が明らかになれば「これくらいなら違反しても大丈夫」と安易に考えるドライバーがあらわれる可能性は否めません。
今後も警察の取り締まりに関する詳細な基準は公表されないといえるでしょう。
そのため、検挙されないようにドライバー自身が交通ルールをしっかりと守ることが重要です。
とはいえ、どのような交通違反が取り締まりされやすいのか気になる人もいるでしょう。
警察庁が公表している統計資料「道路交通法違反の取締り状況」によると、2022年中は検挙件数が多い順に「指定場所一時不停止等違反」(146万6131件)、「最高速度違反」(93万2260件)、「放置違反金納付命令件数」(69万8533件)であり、これらは取り締まりされやすい違反といえます。
特に一時不停止の違反は、ドライバーが思っているよりも停止できていないケースが多く、注意が必要です。
道路交通法上、一時停止は「クルマの車輪が完全に停止すること」と解釈されているため、停止線の手前でしっかりと止まることを意識すると良いでしょう。
さらに警察では「横断歩行者等妨害等違反」の取り締まりを強化しており、こちらも留意すべき交通違反といえます。
2023年中にJAFがおこなった全国調査では、信号機のない横断歩道で歩行者が横断する際のクルマの一時停止率は全国平均45.1%と半数以下であり、まだまだドライバーの意識が低い状況がうかがえます。
信号機のない横断歩道の手前にはダイヤマーク(ひし形マーク)が設置されているため、意識して運転しましょう。
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交通取り締まりには一定の検挙基準があり、同じ交通違反でも違反者によって対応が異なります。
一時不停止や横断歩行者妨害のように、ドライバーが気づかぬうちに違反をしてしまうケースもあるため、定期的にドライブレコーダーなどで自分の運転を見直すことも大切です。