人気のSUVのなかでも「コンパクトSUV」は販売台数ランキングで上位につけるなど、堅調な売れ行きを見せています。2024年春にはホンダから「WR-V」が登場する予定で、ますます活況を見せるクラスとなりますが、一体どのようなところが魅力なのでしょうか。
■コンパクトSUVが今キテる!
SUV人気が続くなか、堅調な売り上げを見せるのが「コンパクトSUV」です。
新車販売台数ランキングでも上位に名を連ねており、扱いやすいサイズと優れた経済性で、ジャンルとしてすっかり確立されたようです。
そこでコンパクトSUVの魅力を改めて検証してみます。
「日本自動車販売協会連合会」が公表している新車販売ランキングによると、2023年9月はトヨタ「ヤリス」が1万6790台でトップ、次いで「カローラ」が1万2962台、「シエンタ」が1万1611台と続きます。
このうち、ヤリスとカローラはシリーズで集計されているのですが、コンパクトSUVの「ヤリスクロス」は約6600台、同カローラクロスは約4000台が登録されています。
さらに、トップ10には、トヨタ「ライズ」(5625台)、ホンダ「ヴェゼル」(5489台)もランクインしており、コンパクトSUVが人気となっていることがわかります。
そして2023年11月には、ホンダはコスパに優れたコンパクトSUVの新型「WR-V」を2024年春に発売することを明らかにしました。250万円以下で購入できるといい、比較的手頃である点も魅力です。
では、なぜこのようにコンパクトSUVは活況を見せているのでしょうか。その人気の秘密を考えてみると、「クルマの出来が良い」ということが挙げられます。
もともとは悪路走破性を意識した4WDを搭載したトラックに「シェル」と呼ばれるキャビンを装着したことから誕生したSUVですが、現在のプラットフォームは一般的には乗用車ベースとなっているので、乗り心地が良く、都市部や舗装路での扱いやすさを確保したうえで、アウトドアにも対応できる最低地上高と装備を兼ね備えています。
そして、コンパクトSUVを人気ジャンルに押し上げた要因が、高い経済性でしょう。
多くのコンパクトSUVがハイブリッドモデルをラインナップしており、4WDでも25km/L~28km/Lという低燃費を実現。250万円前後で購入できる“お手頃感”も加わり、買い求める人が増えているのです。
実際にコンパクトSUVに乗っているオーナーからの評判もなかなか良いようです。
一番人気のヤリスクロスのハイブリッドモデルに乗るOさん(30代・女性)は、スタイリッシュなデザインとトヨタならではの安心感、そして優れた経済性に惹かれて購入したそうです。
「最初から見た目で決めていましたが、燃費を考慮してハイブリッドを選びました。
見た目以上に内側からは角張っている感じがするのですが、それでも視界も悪くないですし、後部座席も思ったほど狭いと感じてはいません。
インテリアは高級ではないものの実用的で、逆にペットを同乗させるのにも気にならないです」
またKさん(50代・男性)は、その扱いやすいサイズと多少の悪路でも気にならない最低地上高でヴェゼルを選択。シンプルなデザインも気に入っているそうです。
「SUVというより、時代に合ったコンパクトカーという感覚で乗っています。ヴェゼルは後席も意外と広いので、コンパクトSUVという印象はあまりないです。
市街地での走りやすさはもちろんですが、高速道路でも運転しやすくて気に入っています」
では、販売する側から見たコンパクトSUVはどうなのでしょうか。都内の中古車販売店のK店長に話を聞いてみたところ、「指名買い」で程度の良い中古コンパクトSUVを探す人が増えているといいます。
「中古車の場合、価格が安くなるぶん高級車を狙う人が多いのですが、はじめてのマイカーとして、またはクルマのダウンサイジングを目的にコンパクトSUVを選択する人もいます。
扱いやすいサイズと人気のSUVというのが最大のセールスポイントですが、コンパクトカーをベースとしているため、車内が狭く感じるという人も見受けられます」
取り回しの良さや価格の安さなどが魅力のコンパクトSUVですが、唯一の弱点ともいえるのが、コンパクトカーベースゆえに居住性が限られることでしょう。
自身のクルマの使い方にマッチするのか、実車を確認してから購入することをおすすめします。
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さまざまな人に話を聞いたところ、もはやSUVこそが主流であり、コンパクトSUVは新しいスタンダードとも言える存在になってきている印象を受けました。
2024年春に登場するWR-Vはアウトドアにも対応できるタフなSUVとして若者をメインターゲットとして売り出す予定で、コンパクトSUVのジャンルがますます活性化しそうです。