まもなくトヨタ新型「ランドクルーザー70」が再再販売されますが、既存の70系自体は全国各地で活躍しています。なかもでトラブルに駆けつけるJAF仕様とはどのようなものなのでしょうか。
■JAFのランドクルーザー70はこんなクルマ
4輪、2輪を問わず、愛車のアクシデントをサポートしてくれる「日本自動車連盟(以下JAF)」のロードサービス。
自動車保険などにロードサービスが付帯している場合でも、1度のサービスしか受けられないケースが多いため、ユーザーには頼りになる存在と言えます。
JAFにはロードサービスに多様なタイプのクルマを用意。
一般的に馴染みのあるレッカー車を筆頭に、車両ごと積載できるユニック車、狭い場所での故障救援を主とする軽バン、現場に素早く急行できるビッグスクーターなどがあります。
その中でもファンの注目を集めているのが、トヨタ「ランドクルーザー70」のロードサービスカーです。
まもなく新型モデルが再再販売される予定ですが、JAFで現在使用しているのは旧型。
筆者が確認したところでは、HZJ74V(ミドルFRPトップ)を筆頭に、HZJ71V(ショートバン)、GRJ76K(30周年モデルバン)、GRJ79K(30周年ピックアップトラック)が配備されています。
70系のロードサービスカーは北海道を筆頭に、主として降雪地のJAF支部に配備されていますが、東京でも活躍しています。
広報課によれば、「支部ごとに車種選定を行うために現在稼動する台数がどれくらいあるのかは不明」とのこと。
ちなみにピックアップトラックが配備されているのは、全国でも札幌支部だけのようです。
70系は、積雪のある場所での救援活動が行えるという強みがあるだけでなく、ロードクリアランスが十分ではない車両では入りづらい未舗装林道にも入ることができます。
70系のサービスカーには前後デフロックが標準装備されていますので、相当な悪条件の道でも走れるのではないでしょうか。
70系のサービスカーに搭載されている装備は、「工具セット」「ポータブル電源」「燃料携行缶」「牽引ロープ」「エアタンク」「バッテリーケーブル」「パンク応急修理キット」といった他のサービスカーと基本的に同じものが積まれています。
■いかにもランクルらしい装備も! 70JAF仕様のこだわりとは
いかにもランドクルーザーという装備が、フロントバンパー内に内蔵された電動ウインチです。
トヨタの純正電動ウインチはアイシン製で、車両の内外から動きを制御することが可能な有線リモコン式。
標準では鉄製のワイヤーが使われていますが、扱う時に安全で、切れた時に車両にダメージが少ないナイロン製に替えられています。
また、大型の車両を牽引する時でも安心なピントルフックが、リアバンパーに装着されています。
一般的にはバンパー下に取り付けられた牽引フックを使用しますが、このタイプは強い力で牽いて場合に破損・変形する恐れがあります。
また、大型車を牽引するための太いロープを装着することができなかったり、ロープをフックに付けるのに別にシャックル(結合金具)が必要になることも。
こうした問題を解決してくれるのが、ピントルフック(トーイングフック)です。
この他、側溝に落ちた車両の脱出に使う角材や、凍結路面でウインチングする場合に滑らないようにする網鋼板のラダーが積まれているのも、“らしい”部分です。
かつて筆者も、冬の林道単独行で路肩側に車両が落ちて、まったく動くことができなくなったことがありました。
かなり山奥の林道でしたが、70系のサービスカーがウインチレスキューを行ってくれたために事なきを得た経験があります。
この時はショートボディの車両が駆けつけてくれ、短い故に狭い林道でも自在に動き回れているのが印象的でした。
なお新型70系の採用ついて前出の広報は「まったく未定」とのことでしたが、現在稼動している車両によってはすでに20年以上経過したものあり、各支部も非常に大切に扱っているようです。
それを考えれば、近いうちにお馴染みの青白に塗られた70系が、路上で見られるかもしれません。