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ホンダ新型「プレリュード」初公開! 2ドアクーペの「スペシャリティカー」発売へ! “復活宣言”かつてのオーナーはどう思う?

くるまのニュース 2023年11月27日 11時50分

2023年10月に開催された「ジャパンモビリティショー2023」では、ホンダが世界初公開した「プレリュードコンセプト」が大きな話題となりました。往年のプレリュードオーナーは、次期モデル登場についてどう感じたのでしょうか。

■デートカーとしてバブル期に人気を誇った「プレリュード」

 2019年以来4年ぶりの再開となった「東京モーターショー」は、今回より「ジャパンモビリティショー」へと名称を変更して2023年10月に開催されました。
 
 ショー向けのコンセプトカーが数多く展示されるなか、クルマ好きから熱い視線を注がれた1台がありました。それが、サプライズで展示されたホンダ「プレリュード コンセプト」です。

 スペックなどは不明ながら、全長4500mm前後、全幅1800mm程度のサイズ感で、パワートレインはハイブリッド。ほぼ市販車のような完成度の高さを見て「元気なホンダ復活か?」と話題になりました。

 2025年にも新型「プレリュード」が発売されるのではないかと言われるなか、かつてのプレリュードオーナーはどう感じたのでしょうか。

 まず、プレリュードと聞いて、「いいクルマだったよ」と遠い目をしているのは、間違いなくアラフィフ世代でしょう。

 特に1980年代後半から1990年代初頭の好景気時代、いわゆる「バブル期」にクルマに乗っていた、またはクルマに憧れていた世代にとって、プレリュードは手が届く「スペシャリティカー」として絶大な人気を誇っていました。

 もともとは1978年に当時の「アコード」のエンジンなどを流用しながら、トランクが独立した形状のノッチバッククーペとして誕生。ただし当時はセダン全盛でアコードの影に隠れた存在でした。

 注目を集め出したのは、1982年に2代目になってから。初代同様ノッチバッククーペですが、「リトラクタブルヘッドライト」という武器を入手し、快進撃がはじまります。

 この頃から「いいクルマに乗るほどモテる」という風潮があり、バブル期へと続く好景気もあり、デートに最適なクルマとしてクーペが人気となりました。

 そしてリトラなプレリュードとしての完成形として、人気の高い3代目が1987年に登場しました。当時のホンダはF1チャンピオンドライバー「アイルトン・セナ」という絶対的なアイコンを手に入れ、F1ブームと相まって人気もピークに。

 プレリュードは、当時のフェラーリより低いと言われたボンネットや、世界初の機械式4WS(フロントタイヤの操舵と逆方向にリアタイヤが向く機構)の採用などによって高性能なイメージがあったことに加え、スタイリッシュでデートに最適、それでいて庶民でも手が届く価格の「スペシャリティカー」として、日産の「シルビア(S13型)」とともに、絶大な人気を獲得していました。

 しかし、4代目(1991年登場)はスペシャルティからスポーツへと突如路線変更し、これがまったくの逆張りでセールス的に不調に陥ります。

 追い討ちをかけたのがバブル景気の崩壊で、人々は「安定・真面目を良し」とするようになり、実用性の低いクーペよりも仲間とワイワイ乗れるミニバン全盛時代に移行。

 クーペブーム終焉の影響もあり、1996年には一旦生産中止の憂き目にあってしまいます。

 それでもプレリュード人気の復活を期すべく、1996年11月に再びノッチバックスタイルで5代目へモデルチェンジ。しかしクーペ不人気の波に飲まれ、2001年には生産が終了してしまったのでした。

 そんな経緯もあって、プレリュードの復活は、当時憧れていた世代にとっては驚きと賞賛を持って迎えられています。

 SUV全盛ではありますが、2000年前後に生産された旧車を好む一部の若者に人気になるなど、少しずつクーペにも光明が見えてきました。

 そんな流れを受けて誕生しそうな新型プレリュードは、今後の日本市場でどの程度受け入れられるか、非常に興味深い存在となりそうです。

■ネックは価格か? アラフィフ世代の反響は?

 当時プレリュードを所有し青春を謳歌したアラフィフ世代は、新型に対してどのような印象を持ったのでしょうか。

 3代目プレリュードの4WSを装備した「Si」を所有していたTさんに話を聞いてみました。

 第一印象は、トヨタ「プリウス」にも通じる近未来感と、4代目を彷彿とさせるボリューム感が気になったというTさん。それでも各部に当時人気だったモデルの面影を見つけ、結果としては美しいスタイリングだと感じたそうです。

「燃費を考慮して空気抵抗を減らすとどうしても似てきてしまう部分もあるのでしょうが、印象としては新型アコードのようなデザインですね。

 当時のプレリュードっぽいイメージはあまり感じませんが、クーペが少ない時代だからこそカッコ良く見えます」

ホンダが世界初公開した「プレリュードコンセプト」

 新型プレリュードのパワートレインは、ハイブリッドシステムを搭載することが明らかになっています(その他の詳細は不明)。

 2リッターの「e:HEV」ではないかと予想する声もありますが、スポーツ性能を強調する可能性がありそうです。

「プレリュードはスペシャリティであってスポーティだから魅力的だと思うので、本格的なスポーツ路線は似合わないと思います。

 性能というより、洗練された先鋭的なスタイリングと、当時としても手頃だった車両価格が人気の理由だったんですけどね」

 そんな気になる新型プレリュードですが、予想販売価格の参考になるのが現行「シビック」。運転支援機能や装備が充実した「シビックe:HEV」の価格は約400万円。プレリュードの車格を考慮すると、450万円は下らない価格になりそうです。

「450万円だと、アラフィフの一般男性でも手が出しづらいでしょう。紙幣価値が違うとはいえ、昔のシビックは200万円もしなかったですし、プレリュードも200万円代前半で購入できました。

 全体的な物価の上昇や装備の充実を考えれば適正なのでしょうが、400万円前後、いやむしろ400万円以下まで落とさないと売れにくいでしょうね」(3代目プレリュードの元オーナー・Tさん)

 あくまでも予想ですが、「価格が高そう」ということは若年層にとってもネックとなりそうです。

 実際、20代のDさんに話を聞いてみましたが、スタリッシュなデザインは高評価ながら、予想価格を聞いて「手が出ない」とのこと。

 安全性や先進のデバイス搭載による技術革新も大事ですが、もう少し手が届きやすい価格帯にならない限り、大ヒットとなるのは難しそうです。

 とはいえ、チャレンジングなホンダらしく、驚きの低価格で販売されたらバカ売れしそうな気がします。

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