トヨタは「名古屋モビリティショー2023」に「カヨイバコ」を出展しました。同車は様々な用途おいて活躍可能な「新しいモビリティ」のコンセプトモデルだと言います。
■「業務」から「趣味」まで活躍する斬新な“箱クルマ”
トヨタは2023年11月23日から11月26日までの4日間、ポートメッセなごや(名古屋市港区)で開催された「名古屋モビリティショー2023」にコンセプトカー「KAYOIBAKO(カヨイバコ)」を出典しました。
同車は様々な用途に活躍可能な“ハコ型モビリティ”のコンセプトモデルだといいますが、一体どのようなクルマなのでしょうか。
名古屋モビリティショー2023は、東京で10月28日から11月5日まで開催された「ジャパンモビリティショー2023」の終了後、名古屋に会場を移して開催される初の地方ショーです。
そのイベントにて、モビリティカンパニーへの変革を掲げるトヨタはブースのテーマを「クルマの未来を変えていこう-Find Your Future」とし、このテーマに合わせた複数のコンセプトカーや展示。そこで出展された車両の1台が、今回取り上げるカヨイバコです。
カヨイバコは「超拡張性能」を特徴とする、箱型ボディが印象的な電気自動車(バッテリーEV)のコンセプトカーで、その車名は物流現場などで拠点間を行き来しながら部品や製品を運ぶ「通い箱(通函)」に由来するもの。
同車のボディサイズは、全長3990mm×全幅1790mm×全高1855mm、ホイールベース2800mmと、全高以外はコンパクトカー「ヤリス」と同等の扱いやすいサイズですが、BEV専用プラットフォームを最大限に活用し高効率なパッケージングを実現。
車内にはビジネスからプライベートまで多様なニーズに対応できる大空間を確保し、さらにカスタマイズを行うことで商品陳列棚を設けた「移動販売車」になったり、座席を増やせば「乗り合いバス」になるなど、地域ごとの困り事にも寄り添え社会システムの一部としての活躍も期待できる斬新なクルマが完成しました。
さらに、トヨタではカヨイバコの多様な活用法の提案として、複数のイメージ画像を公開。
先述した配送や輸送などの商用利用のみならず、個人ユースにも適応した姿として、オフロードタイヤやルーフキャリアなどを備えた「アウトドア仕様」や、夜の街を背景に車高を下げたローダウンとワイドタイヤ、大径ホイールを組み合わせた“ワル感”ただよう「カスタム仕様」など、様々なカヨイバコの発展形態を見ることが可能です。
また、このワルさを際立たせたカスタム仕様のフロント部には「bB+ CONCEPT」の文字が点灯しており、かつて若年層ユーザーから高い支持を集めたコンパクトハイトワゴン「bB(ビービー)」の復活を思わせるものであったことから、SNSをはじめとして大きな反響を呼びました。
トヨタはこれら一連のカヨイバコの将来性について、さらなる展開も示唆しており、ボディ全長を延伸したり全高をさらに高くしたような、基本ボディサイズに変化を加えたバリエーション展開も可能だといいます。
実際に同社が現在展開している商用バン「ハイエース」は、ボディの全長や全幅、全高の異なる様々な仕様が展開されていることから、かなり細部まで具体的な検討が重ねられているカヨイバコが将来市販化された際には、ボディサイズや装備など大部分をユーザーが自由に選択できるようなバリエーションが展開される可能性にも期待が持てそうです。