トヨタの欧州法人は2023年12月4日、最新の電動モデルや技術を発表するイベント「Kenshiki」を開催し、新型スポーツカー「FT-Se」を欧州で初披露しました。
■カーボンニュートラル時代における新たなスポーツカーの選択肢
トヨタの欧州法人「トヨタモーターヨーロッパ(TME)」は2023年12月4日(現地時間)に最新の電動モデルや技術を発表するイベント「Kenshiki」を開催しました。
数多くの発表が行われたなかには、欧州初披露となる新型スポーツカー「FT-Se」の姿もありました。
トヨタではグローバルビジョン「Mobility for All」を掲げ、2050年までに世界全体で完全なカーボンニュートラルを実現する取り組みを実施しており、なかでも欧州では世界に先駆け2040年までの達成を目指しています。
こうした将来の取り組み実現に向けTMEは、この先数年の間に重要な役割を果たすBEV(バッテリーEV:電気自動車)とFCEV(水素燃料電池車)を中心にイベントで披露しました。
そのうちの1台が新型スポーツカーのFT-Seです。
FT-Seは、2023年10月25日より東京で開催された「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」で世界初公開されたコンセプトモデル。
TOYOTA GAZOO Racingが取り組む「モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり」の思想のもと、カーボンニュートラル時代におけるスポーツカーの選択肢のひとつとして提案する、高性能スポーツBEVモデルです。
車名は「Future Toyota Sports electric」の略称で、ボディサイズは全長4380mm×全幅1895mm×全高1220mm。
電動コンポーネントには、従来よりも薄いサイズながら高いエネルギー密度を特徴とする次世代バッテリー技術を採用し、モーター、トランスミッション、エアコンユニットなどの各コンポーネントの小型化や軽量化と組み合わせることで、優れた操縦安定性や空力性能を追求します。
またソフトウェアアップデートにより、ドライバーと共に育っていくクルマを目指すといいます。
外観は、ワイド&ローのプロポーションに加え、先進的な印象をもたらすワンフォームシルエットの採用により、空気抵抗を低減させました。
内装では、運転への一層の没入感を提供するというフルデジタル次世代コックピットを採用し、直感的な操作を可能とします。
またインパネ上部を低く構えることで、高い視認性を確保。さらに走行時のG(重力加速度)から身体を保持するために、新意匠のニーパッドを採用しました。
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TMEは今回行われたイベント名“Kenshiki”について、物事の本質をとらえ洞察することを意味する日本語の「見識(けんしき)」に由来していると説明します。
TMEの中田 佳宏 社長兼最高経営責任者(CEO)は「当社は今後も複数の炭素削減技術を提供していく一方、顧客に提供するゼロエミッション車の台数も着実に増やしていく」と説明し、今後もBEV1種類だけではない様々な取り組みを行う“見識”を通して、カーボンニュートラルを実現することを宣言しました。