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ホンダ新型「”最小級”SUV」実車展示! 全長4m級のゴツボディは日本仕様とは「全然違う」? RSもあるタイの「WR-V」はベツモノだった

くるまのニュース 2023年12月10日 10時10分

ホンダには同じ車名を名乗りながら、国によって全く別のクルマを販売しているケースがあります。国内で2024年春に発売予定の「WR-V」もそんな1台でした。

■同じ「WR-V」を名乗るのに全く別のクルマが存在していた!?

 ホンダは、2024年春に発売予定のコンパクトSUV「WR-V」について、2023年11月16日に先行情報を発表しました。
 
 ところが、同じWR-Vを名乗る全く別のホンダ車が海外にはすでに存在し、タイ・バンコクで11月30日から12月11日まで開催される第40回「タイ国際モーターエキスポ2023」でも展示されています。どういうことなのでしょうか。

 11月に日本仕様のデザインと概要が公開され、2024年春の発売を予定する新型WR-V。

 価格は200万円台前半からと、低価格を特徴とするコンパクトSUVのニューモデルです。

 何を隠そうこのWR-Vは、タイやインドネシアなど東南アジアではすでに同名のモデルが発売されているのですが、面白い現象が起きています。

 それは、車名と車両の関係。東南アジア向けのWR-Vと日本向けのWR-Vは、同じ車名ながら見た目が全く異なるのです。

 そして、見た目だけでなくサイズも違うのです。

 日本で販売する新型WR-Vの車体サイズは、全長4325mm×全幅1790mm。いっぽうでタイ仕様のWR-Vは全長4060mm×全幅1780mmとひと回りコンパクトに作られています。

 デザインも、立派なグリルを組み合わせて力強い日本仕様に対し、東南アジア向けは軽快で都会的な雰囲気。顔つきはパッと見た感じシビックにも似ています。

 どちらもコンパクトカー「フィット」系のプラットフォームを使ったコンパクトなSUVという意味では共通ですが、完全に別のクルマと言っていいでしょう。

 日本で販売するWR-Vは、インドで「エレベイト」として販売されるもの。

 しかし日本向けは「CR-V」や「ZR-V」などと共通の雰囲気の「●R-V」という車名が「ホンダのSUVであることを感じさせる」として、エレベイトではなく、ホンダが持っているものの日本では空席となっているWR-Vというネーミングで販売されるという背景があるのです。

 ちなみに、現在東南アジアで販売されているWR-Vは、2022年にインドネシアで市販モデルが初公開された(グローバルでカウントすると)2世代目にあたります。

2017年に登場したホンダの初代「WR-V」は3代目「フィット」をベースにしたクロスオーバーモデルでした

 その前に、2017年に発表された初代が存在するのですが、その初代もなかなかのインパクトを持ったモデルでした。

 なんと、3代目フィットと共通の車体で作ったクロスオーバーSUVなのです。

 車体下部やフェンダーに無塗装の樹脂部品を組み合わせたうえで、ルーフレールを備え無骨な雰囲気に仕立て、車体をリフトアップして最低地上高を拡大。

 いうなれば、いま日本で販売している「フィット クロスター」の先輩と言っていいでしょう。

 この変わり種フィットは、南米やインドで販売されていました。

 というわけでまとめると、WR-Vという車名のモデルはまず、フィットの車体そのものを使ったクロスオーバーモデルとして2017年から2022年にかけて南米やインドで売られ、その後2022年から専用ボディの小型クロスオーバーSUVとして東南アジアで販売中。

 それと並行して、全く異なるモデルが2024年から日本で販売されるということになります。

 日本向けモデルだけを見ていれば問題ないですが、グローバルで見るとちょっとややこしいですね。

■日本と海外で車名が違う例はほかにも!

 話はそれますが、ホンダにはほかにも名前がちょっとややこしいSUVが存在します。

 それは「ヴェゼル」と「HR-V」と「ZR-V」です。

タイで販売される「HR-V」は日本では「ヴェゼル」として売られていますが、国内で純正アクセサリーとして売られるフロントグリルが装着されるなど、外観のイメージも日本仕様のヴェゼルとは異なります

 まず基本として、日本で販売しているヴェゼルを海外ではHR-Vとして売っていますが、かつて日本にも同名のSUVがあったのでちょっとややこしいのです。

 そして北米ではさらに一筋縄ではいかず、従来はHR-V(日本でいうヴェゼル)を販売していましたが、フルモデルチェンジを機に日本でいうZR-Vにチェンジ。

 その結果、「北米向け先代HR-Vは日本でいうヴェゼル」だったのに「新型HR-VはZR-V」という、しっかり確認しないと混乱しそうな状況なのです。

 もちろん仕向け地により車名が違う状況はこれまでにもあった話ですし、日本のユーザーには関係ないというのも事実でしょう。

 しかし、昨今はインターネットで世界の情報を見ることができる時代。

 そんな時代においては、同じ名前なのに仕向け地によって車両が異なるクルマが存在するのは、ちょっとややこしいですね。

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