イギリスからオークションに出品された23年落ちの日産「スカイラインGT-R Vスペック」が、12万1500ポンド(約2230万円)で落札されました。どのようなクルマなのでしょうか。
■英から2000年式「スカイラインGT-R」が出品
オンラインオークションのコレクティングカーズに23年落ちの日産「スカイラインGT-R Vスペック」がイギリスから出品され、2023年8月5日に12万1500ポンド(約2230万円)で落札されました。どのようなクルマなのでしょうか。
スカイラインGT-Rは、日本の自動車史に燦然(さんぜん)と輝く名車中の名車です。今回落札されたのは「R34」と呼ばれる5代目の2000年式で、「スカイライン」を冠するGT-Rとしては最後の世代となります。
グレードのVスペックは、標準仕様に対してディフューザー(車体下に入った空気を整流するパーツ)の装備、差動装置の換装(アテーサE-TSの「PRO」化)、サスペンションのハードチューンなどが施されています。当時の日本での新車価格は標準仕様より60万円高い559万8000円でした。
スカイラインGT-Rは4代目の「R33」以降、わずかながら日本からイギリスに正規輸出されており、現地で当時掲げられたプライスタグは5万ポンド(1000万円)以上。ただ、今回の落札車は正規のイギリス仕様ではなく、2000年に日本で初登録されたものです。2010年にイギリス(北アイルランド)に並行輸出されました。
出品者の情報によると、所有した15年間で走行した距離はわずか123kmといいます。これはメカニズムの膠着を防ぐための最低限の距離であり、大切に「動態保存」されていたと思って良いでしょう。
後付けパーツは多岐にわたって数多く装備されています。インテリアは、赤ステッチを施したレザー、ニスモ320km/hスケールスピードメーター、カーボンパネルが印象的です。
外装やメカニズムは、ニスモリアスパッツ、ニスモ調整式サスペンション、ニスモLMGT4ホイール、ニスモV-スペックIIカーボンボンネット、ニスモサイドアンダースカート、ニスモマフラー、HKS GT-RSターボキット、HKSオイルクーラーキット、HKSブローオフバルブ、Kansaiサービスストラットタワーバー、ブリッツターボタイマーなどが装着されています。
近年、日本生まれの中古スポーツカーが世界的に高騰している話をよく耳にするようになりました。
スカイラインGT-Rはその象徴であり、数千万円がざらになっていますが、イギリスでの現地価格と経済成長を踏まえると、今回の12万1500ポンドというのは「驚きの高騰ぶり」というより「妥当な評価額」という見方もできるのではないのでしょうか。