タイヤの空気圧が下がると、空気圧センサーが点灯して危険を知らせてくれます。特に、秋から冬にかけては急に点灯することもあります。ランプが点灯したら、どのように対処すべきでしょうか。
■タイヤが驚く…! 謎のオレンジランプが点灯する理由とは
前日まで運転している際には、なんの問題も無かったのにも関わらず、翌日エンジンをかけたら、タイヤが驚いているような「!」マークの警告灯がついた経験があるユーザーもいるのではないでしょうか。
ドライバーのなかには、このように突然「空気圧センサー」ランプが点灯して、驚いた人もいるかもしれません。
空気圧センサーとは、タイヤの空気圧をリアルタイムで観測して、トラブルや事故を未然に防ぐためのシステムです。
「Tire Pressure Monitoring System」という英語名があるため略して「TPMS」と呼ばれることもあります。
タイヤトラブルの増加に悩むアメリカで普及し、2007年に同国で新車への装備が義務化されたあと、ヨーロッパなどへもその動きが広まりました。
日本ではまだ義務化されていませんが、グローバルモデル車などに標準装備されるケースが増えています。
この国内で装備される空気圧センサーのほとんどは、タイヤのエアーバルブに取り付けた計器で直接空気圧を計ります。
車種により違いはありますが、ドライバーはディスプレイで空気圧の状態をリアルタイムで確認できる仕組みです。
空気圧の異常を知らせてくれる方法は、計測データを常に表示したり、規定値を下回った異常時だけ警告灯を点灯したりとさまざまです。
なかには空気圧だけではなく、タイヤの内部温度をモニタリングできるものもあります。
このように、空気圧センサーはタイヤ内圧の変化を素早く伝えてくれる安全装置です。
暑さが残っていたり、反対に冷え込んだりと寒暖差の大きい秋冬の季節は、タイヤ内の空気も変化しやすく、空気圧センサーが反応する可能性も高まります。
空気は冷やされると体積が縮小し、温められると膨張します。
急に冷え込むとタイヤ内の空気も減少し、空気圧が著しく低下するというわけです。気温差の大きい寒冷地では、こうした空気圧の差がはっきり表れるといいます。
加えて、タイヤに問題はなくても、空気は自然と抜けていきます。日本自動車タイヤ協会によると、その割合は1か月で5%ほどです。
知らない間に空気圧が下がっていたところに急に気温が低下すれば、空気圧センサーが反応したとしてもおかしくはありません。
■タイヤが驚いたら…すべきことは?
そもそも、空気圧が低いということは、1トン近い車体をタイヤで適切に支えられていない状態です。
そのため、空気圧が低いまま走行すると乗り心地が悪いだけでなく、車両のふらつきや、燃費の悪化などにも繋がります。
また、タイヤ自体も摩耗しやすく、最悪の場合はバーストやパンクのリスクも高まります。
安全を守るためには、適切な空気圧を保たなくてはなりません。
それでは、空気圧センサーが点灯したら、どうすればいいのでしょうか。
首都圏の自動車整備士は、空気圧センサーが点灯した際の対処法について、次のように話します。
「空気圧センサーが点灯した場合は、すぐに近場のガソリンスタンドなど、空気を入れられる場所で対応するのが理想です。
放置してしまうとパンクなどに繋がり、危険なので忘れずにすぐに対応するようにしてください。
空気は自分でも入れることはできますが、初めてであったり、慣れていない方はプロに任せるのが1番だと思います。
基本的にはメーカー指定の車両指定空気圧というのがあり、確認の仕方としては、一般的には運転席のドアにラベルが貼ってあるので、そこで数値の確認ができます。
その他にも取扱説明書や、最近ではインターネット上でオーナーマニュアルが公開されているケースもあるので、調べられるかと思います。
秋から冬にかけては、急激に気温が低下するので、このような事例は少なくなく、すでに弊社でも空気圧センサーが点灯したとして、お客様のご対応をしました」
このように、緊急性を要することもあるので、すぐに対応することが望ましいようです。
具体的には、前述のメーカーが指定する車両指定空気圧になるように、タイヤに空気を足さなくてはなりません。
空気を足す際は、自然漏れによる空気圧低下を考えて、車両指定空気圧より20キロパスカル多く調整すると良いとされ、その他にも、普段から定期的にタイヤの空気圧をチェックすることも望ましいと言われています。
月に1回点検できれば理想的ですが、タイヤを履き替える際でもよいでしょう。また、スペアタイヤを常備しているのであれば、同時に点検しておくと安心です。
タイヤの空気圧は目視では正確に判断できないので、必ず専用器具で測定するようにします。
こちらも店舗で点検してもらえますし、セルフ式ガソリンスタンドに設置されている器具を使って自分で行うこともできます。
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クルマのタイヤは空気圧が不足していても、運転中になかなか気づけません。そのため、空気圧センサーは安全の鍵を握る重要な装置ともいえます。