スズキ「スイフト」がフルモデルチェンジし、新型モデルが発売されます。新型スイフトでは、後席のドアノブの位置が変更されたのですが、何があったのでしょうか。
■後席のドアノブが“普通”に戻った!?
スズキのコンパクトカー「スイフト」がフルモデルチェンジし、5代目モデルが登場しました。
CVT車は2023年12月13日、国内スズキとして初となるマイルドハイブリッド仕様のMT車は2024年1月17日に発売されます。
新型スイフトは一目見たら印象に残るデザインを目指し、外観はクルマ全体を包み込むラウンド形状が先進的なイメージを表現しつつ、空力性能も考慮したスタイリングを実現しました。
内装は、インパネとドアトリムをつなげた形状とすることでドライバーとクルマの一体感を表現。高級感のあるインテリアも特徴です。
インパネ中央に配置されるオーディオやエアコンパネル、スイッチ類などをドライバー側にやや傾けたレイアウトを採用するなど、使いやすさも考慮しました。
新型スイフトは安全装備が大きく進化。ミリ波レーダーと単眼カメラを組み合せた「デュアルセンサーブレーキサポートII」を採用します。
「デュアルセンサーブレーキサポート」や「低速時ブレーキサポート(前進・後退)」、「アダプティブハイビームシステム」、「アダプティブクルーズコントロール」など、先進装備を充実させました。
また、スズキのコンパクトカー初となる電動パーキングブレーキを、最上級グレード「ハイブリッド MZ」に搭載。これにより、アダプティブクルーズコントロールは停止保持機能が可能となり、ブレーキホールド機能も備えました。
パワートレインは、新開発の高効率な1.2リッターエンジン3気筒エンジン(Z12E型)とCVTを採用。ガソリン仕様とマイルドハイブリッド仕様が用意され、マイルドハイブリッド仕様には5速MT車も設定されます。
そんな新型スイフトですが、とくに注力したことのひとつにデザインがあります。従来モデルのスタイリングやワイドで低重心なプロポーションをキープしつつ、先進的で走りを想起させるエクステリアデザインへと進化しました。
新型スイフトのエクステリアを見てみると、後席のドアノブがドアパネル上に取り付けられていることに気が付きます。
従来型(3代目)のスイフトは、後席のドアノブがCピラーに埋め込まれており、ブラックアウトされたこともあって隠れているように見え、一見するとどこにドアノブがあるのかわからないようなデザインを採用していました。
これはヒドゥンタイプとも呼ばれるものですが、歴代のスイフトでこのタイプが取り入れられていたのは3代目のみ。
なぜ新型スイフトの後席のドアノブは“普通の位置”に戻ったのでしょうか。
スズキに聞いたところ、デザイン面の変更がおもな理由だといいます。
従来型のスイフトはスポーティなラインを強調したデザインとしており、ドアパネル上からドアノブをなくしてCピラーに内蔵することでクーペのように見せていました。
欧州のハッチバック車では以前からこういったドアノブはあったのですが、従来型スイフトが発売された当時は国産車でもSUVなどで採用例が増えて一種のトレンドであったことから、スズキとして初めて採用したといいます。
一方の新型スイフトは、ラウンドした形状とすることでワイドかつ走りを想起させる造形へと変更。
スポーティなデザインというのは変わらないのですが、ラウンドを意識したデザインへと転換したことにより、ドアハンドルがデザインの妨げにならなくなったことから普通の位置に戻したということです。
SNSでは、「リアドアのハンドルが普通になったのは好印象」「ドアノブ帰ってきたのいいですね」「絶対、普通のノブの方がカッコいいよね」など、新型スイフトに採用された普通のドアノブのほうが良いという意見が寄せられています。
なかには「リアのドアハンドルが目立たない様になってるデザインが好きだった」「後ろのドア持つとこが普通になっちゃった…」など、隠れドアノブを惜しむ書き込みもありますが、現役オーナーの「後ろのドアは子供じゃ開け難そうだし、大人でも実際どうやって開けるの?ってよく聞かれたから仕方ないか」という声も。
ドアパネル上に戻ってきた後席のドアノブはおおむね好評のようです。