そのデザイン性の高さから注目度が高いトヨタ新型「クラウンスポーツ」。実際の街中で乗るとどのような印象なのでしょうか。
■街中では二度見されることも!? クラウンシリーズのスポーツSUVとは
2023年10月6日に正式発表されたトヨタ新型「クラウンスポーツ(HEV)」。
年内にはPHEVの登場が控える中でメディア向けの試乗会が開催されました。果たしてその見た目のインパクトに見合う走りの味を持っているのでしょうか。
16代目となった新生クラウンシリーズは、それまでのセダンを中心とするスタイルから「クロスオーバー」「スポーツ」「セダン」「エステート」という4モデル展開となりました。
それぞれ、デザイン、ボディタイプ、パワートレインが異なるものの、どこか「クラウンらしさ」を感じさせます。
2022年9月から第1弾となったクラウンクロスオーバー(HEV)が発売され、その約1年後にクラウンスポーツ(HEV)が発売されました。
すでに2023年4月末にはメディアと一部の招待ユーザー向けてクラウンスポーツ(プロトタイプ)の試乗会が開催されています。
今回は、みなとみらい(神奈川県横浜市)を中心とした公道試乗会です。
これまでクラウンスポーツに関しては「エモーショナルで創造的な雰囲気を持ち、乗り降りや運転のしやすいパッケージと共に、俊敏でスポーティな走りが楽しめる、新しいカタチのスポーツSUV」として説明されていました。
そんなクラウンスポーツですが、特徴的なフロントフェイスをはじめ、発表当時大きな話題となったデザインは走りを予感させるプロポーションが印象的で、街中でも老若男女から視線を浴びるなど注目度はバツグン。
また実車における斜めからの後ろ姿は、リアクォーターからリアフェンダーまでの盛り上がり加減が絶妙で「美しい」という言葉がピッタリです。
見た目としてはスタイリッシュかつ他のクラウンシリーズよりはコンパクトな印象があるものの、ボディサイズは全長4720mm×全幅1880mm×全高1565mm、ホイールベース2770mmとなっています。
一方のインテリアでは、基本的な造形は他のクラウンシリーズと同じですが、クラウンスポーツ専用装備として「スポーツステアリング(ディンプル/専用加飾)」「赤ステッチ(かがり縫い)」「スポーツシート(赤ステッチ)」「シフトノブ(ディンプル/ブラック加飾)」が採用されています。
またクラウンシリーズの中で前席重視よりかつホイールベースが短いこと(クロスオーバー比で―80mm)などにより、後席に関しては頭上空間や膝周りにやや狭さを感じます。
そのパッケージ特性から後席はある程度割り切るしかないものの、「このデザインで後席も使いたい」というユーザーとしては悩ましい部分かもしれません。
■クラウンシリーズのスポーツSUV! 走りはどうなの?
パワートレインは、HEVとPHEVが設定されますが、今回は先行して発売されたHEVを試乗しました。
2.5リッター直列4気筒エンジンにモーターを組み合わせたもので、システム最高出力234馬力を誇り、街中などの低速域ではモーターならではのなめらかな動きを体感。
少しアクセルを踏み込むとモーターからエンジンに切り替わる部分でも自然なフィーリングながら力強い加速感が味わえました。
ただ、他のトヨタHEVと比べるとやや早くエンジンが始動する印象もあり、気持ちとしてはもう少しEV走行を粘って欲しいという部分もあります。
また高速道路などの速度域が高いシーンでは、不快な部分はなく、とくにタイトコーナーでは、リアがいい感じに踏ん張り、気持ちよく行きたいラインを通れるなど、旋回性において最近のクルマの中では高い印象でした。
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クラウンシリーズで最もスポーティなモデルとなったクラウンスポーツ。
走りの味という部分で、5代目となった現行「プリウス」ほどのインパクトはなかったものの、最近のトヨタ車の中でも高い位置にいると言えそうです。
そうなると気になるのがPHEV。より走りの味付けが濃くなっていると予想出来ることから、乗った時のインパクトがどれほどのものか、期待が高まります。