東京オートサロン2023や大阪オートメッセ2023に展示された謎の「フェアレディX」とはどのようなモデルだったのでしょうか。また2024年に向けた動きはあるのでしょうか。
■フェアレディZのSUV「フェアレディX」とは
毎年開催される「東京オートサロン」や「大阪オートメッセ」は、自動車メーカーやカスタマイズメーカーなどが新車やカスタムカーをお披露目する場所として知られているイベントです。
そのなかには、日産直系の専門学校も出展しており、2023年には「フェアレディX」というSUVを展示しましたが、どのようなモデルだったのでしょうか。
日産は全国に自動車大学校を5校(栃木校・横浜校・愛知校・京都校・愛媛校)展開しています。
その中で京都校と愛知校はここ数年にわたり学生が手掛けたカスタムカーを東京オートサロンや大阪オートメッセに展示しています。
2023年には京都校が「フェアレディX」をお披露目しました。
製作しているのは京都校のカスタマイズ科。これは、かつて販売されていた日産「ムラーノ(Z52型)」をベースに2022年に発売された7代目となるフェアレディZのフロントフェイスのデザインを採用したカスタムカーです。
正面から見ると7代目フェアレディZの特徴的なフロントグリルや初代モデルからオマージュしたヘッドライトを装着していますが、ボンネットはZを象徴するロングノーズではありません。
京都校は過去にも「ムラーノ」ベースの「シーマSUV」を製作していますが、このフェアレディXはどのような経緯で製作することになったのでしょうか。
実際にフェアレディXを製作する学生は次のように話していました。
「フェアレディZのSUV化が決まったときにフェアレディZの横幅などに合うサイズのベース車両候補としてムラーノが上がりました。
大変だった造形です。フェアレディZとムラーノでは当然体高もボディラインも違うためフェンダーの形状や体高を合わせるのにクラスのメンバーで必死に考えました」
また一般公開後のユーザーからの反響については次のように話していました。
「やってる間はめっちゃしんどかったけど、完成したのを見たらそんなしんどさなど吹き飛びました。
色々と苦労した分、完成した時のクオリティに満足がいきました。
来場者からは『かっこいい』、『実際に欲しい』、『売り出して欲しい』といったコメントを本当に多く頂きました。
『お父さん世代には優雅で豊かな人生』というコンセプトが『すごくささった』、『まさにその通り』などといってもらえてコンセプト作成のときに設定したターゲットカスタマーの気持ちを狙い通り捉えられていて嬉しかったです」
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そんな反響があったフェアレディXを製作した京都校ですが、現在は次回の東京オートサロン、大阪オートメッセに向けていくつかのカスタムカーを製作しています。
すでに「エクストレイル顔のエルグランド」が話題となっており、そのほかにも「キューブ」ベースのものなどがSNSでも公開されており、実車展示に期待が寄せられます。