フォグランプを使用する際に、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。
■フォグランプは視界が悪い時の補助灯
天候が悪い時に使用するフォグランプですが、不必要に点灯すると周囲のクルマの迷惑にもなってしまいます。
では、フォグランプを使用する際に、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。
霧や雨、雪などで視界が悪いときに使用するのがフォグランプです。フォグは英語で霧を意味します。
しかし、そう頻繁に使うものではないので、一度もスイッチを入れたことがないという人もいるのではないでしょうか。
フォグランプは一般的にヘッドライトより低い位置に取り付けられており、悪天候時に効果的に路面を照らすことができます。
また同時に、強い光を放つことで、対向車や前方のクルマに自車の存在を伝える役割も持っています。
クルマのライトといえばヘッドライトやテールライト、ウインカーなどを思い浮かべますが、これらは保安部品として公道を走るクルマに装着が義務付けられています。
しかし、フォグランプは保安部品ではありません。そのため、クルマの車種やグレードによっては装備されていない場合もあります。
さらに、道路交通法では、夜間にはヘッドライトやスモールランプなどを点灯させなければならないと定められていますが、フォグランプは補助灯であるため、夜間に使用しなくても違反には問われません。
また、車体の後方にリアフォグランプを装着した車種も存在します。
リアフォグランプは、ブレーキライトと同等の強い光を放ち、悪天候時に後方車に自車の存在を知らせます。
濃霧が発生しやすいヨーロッパでは、フォグランプの装着は任意ですが、1970年代からすべての新型車に装備が義務付けられています。
日本においては、霧や雨中を走行するシーンの多い4WD車や寒冷地仕様のクルマに対して、フォグランプやリアフォグランプがオプション標準装備されることが多いようです。
■迷惑をかけないフォグランプの使い方とは
フォグランプは保安部品ではありませんが、装着するのであれば、道路運送車両法で定められた保安基準を守らなくてはなりません。
例えば、フロントフォグランプの灯火は白色もしくは淡黄色、リアは赤色であること。数はそれぞれ2個以下。
さらに、明るさや照射する向き、取り付け位置なども細かく定められています。
しかし、基準に達したフォグランプであっても、使い方によってはほかのクルマに迷惑をかけてしまうことがあります。
では、フォグランプを使う時はどのようなことに注意すればいいのでしょうか。
安全運転に関連する団体の担当者は、次のように話します。
「フォグランプの正しい利用方法のひとつとして、対向車などがきた場合は、点灯させないことです。
自動車学校などで習うケースもありますが、フォグランプは対向車にとって、非常に眩しく感じられ、視界を奪ってしまいます」
またクルマに備わっている取扱説明書では「リアフォグランプは視界が悪いとき以外に使用すると後続車の迷惑になる場合がある」と注意喚起しています。
さらにリアフォグランプについては、道路運送車両の保安基準の第37条の2に以下の記載があります。
「後部霧灯は、霧等により視界が制限されている場合において、自動車の後方にある他の交通からの視認性を向上させ、かつ、その照射光線が他の交通を妨げないものとして、灯光の色、明るさ等に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない」
※ ※ ※
このようにフォグランプを安全に使用するには、周囲への配慮が欠かせません。
対向車や後続車が眩しいかもしれないと思ったらフォグランプを消すことが大切です。