ホームセンターで家具など大きな買い物をしたときに便利な無料貸出トラックですが、意外にも任意保険がかけられていないことが多くあります。運送中に事故に遭ってしまったらどうなるのでしょうか。
■ホームセンターの無料貸し出しトラックは保険に入っている?
年末や引っ越しシーズンになると、買い出しのためにホームセンターに行く機会が増えるというユーザーも少なくありません。
ホームセンターで家具など大きな買い物をしたときに便利な無料貸出トラックですが、意外にも任意保険がかけられていないことが多くあります。
運送中に事故に遭ってしまったらどうなるのでしょうか。
ホームセンターが提供する無料貸し出しトラックは、60分や90分など時間限定で利用でき、たいていの場合ガソリン代も無料です。
ただ、こうしたサービスのトラック車両には、実は任意保険がかけられていないケースが多いと言われています。
レンタカーの場合は利用料金に基本的な保険が含まれており、もしレンタカーで事故を起こしても保険から補償を受けられます。
さらに、クルマを修理するあいだのレンタカー会社に対する営業補償料の支払いを免除されることもあります。
では、無料貸し出しトラックを利用したときに、事故に遭ってしまったらどうなるのでしょう。
そもそも任意保険に加入していない状態では、運転中に物を壊したり、トラックに修理代が発生したりすると、その費用は利用者が負担しなければなりません。
実際に多くのホームセンターでは、サービスを利用する際に、任意保険には加入しておらず、適用されないという旨の契約書にサインするようです。
とはいえ、任意保険はなくても、クルマを使用する際に契約が義務付けられる自賠責保険には加入しています。
自賠責保険は事故の被害者を救済するためのものなので、対人事故の場合のみ一定の金額内で保険金が支払われます。
死亡の場合は最高で3000万円、後遺障害は最高4000万円、傷害は最高120万円です。
しかし、もしも人を轢いて死亡させてしまったり、重度の後遺障害を負わせてしまったりすると、自賠責保険では足りないことは覚えておくとよいでしょう。
■万が一事故を起こしてしまったら、どうなる?
ホームセンターで任意保険未加入のトラックを借りる際は、自賠責保険がカバーしない損害に備えて、自分で任意保険を用意しておくことが大切といえそうです。
具体的には、自分のクルマに任意保険をかけて「他車運転危険補償特約」をつけることになります。
この特約は、他人のクルマを臨時で運転して事故を起こした場合に、自分の保険の対人賠償や対物賠償、車両保険などを使うことができます。
すでに任意保険に加入していれば、「他社運転危険補償特約」も自動的にセットされていることが多いので、いちど保険証券などを確認してみてください。
または、配偶者や同居人のクルマにかけた任意保険の他社運転危険補償特約でもいいかもしれません。
こうすることで、ホームセンターの無料貸し出しトラックで事故を起こしたとしても、自分や配偶者などの任意保険を使うことで自己負担を軽減させられるでしょう。
ただし、駐停車中は補償対象外なので注意が必要です。
たとえば、車両保険をつけていたとしても、駐車中にトラックを盗まれたり、当て逃げされたりしたら補償されません。
また、前出のように、借りたトラックを修理することになった場合にホームセンターから修理期間中の営業損害料を請求されることも考えられますが、そうした費用も補償対象外です。
なお、トラックの利用時に事故に遭ったら自分で解決することになります。
ホームセンターの担当者は、サービスカーの事故発生時について「サービスカーで事故があった場合は、お客様ご自身で警察を呼んでいただき、ご対応をお願いしています」
と話します。
このように、発生した事故については、利用者自身で解決することが求められます。
東京海上日動の「ちょいのり保険」や三井住友海上の「1DAY保険」といった、コンビニなどで入れる1日保険もこうした保険も、現在のところ貨物車は対象外なので、残念ながら使えないようです。
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ホームセンターの無料貸し出しトラックを利用する際は、貸し出し条件を確認したうえで、安全に注意して運転することが大切です。