トヨタのアメリカ法人は、“Hidden Gems(隠れた宝石)”と題し、お蔵入りになっていたコンセプトモデル「サイオンX86Dコンセプト」(2012年製作)の写真を公開しました。
■トヨタ「86ワゴン」!? まさかの5ドアモデル「X86D」とは
トヨタのアメリカ法人は、“Hidden Gems(隠れた宝石)”と題して、お蔵入りになっていたコンセプトモデル「サイオンX86Dコンセプト」(2012年製作)の写真を公開しました。
このモデルは「キャルティデザインリサーチ」が手掛けたもの。
同社は、トヨタがアメリカのニーズや嗜好にいち早く応えようと1973年、カリフォルニア州に設立したデザイン拠点で、代表作として2代目「セリカ」(1977年発売)、初代「エスティマ」(1990年発売)、3代目「ソアラ」(1991年発売)、初代「プリウス」(1997年発売)、「FJクルーザー」(2010年発売)などがあります。
また、コンセプトモデルとしては、レクサスLC(2017年発売)の原型になった「LF-LC」、「GRスープラ」(2019年発売)の原型「FT-1」を手がけましたことでも知られています。
そんなキャルティデザインリサーチは設立50周年を迎えた今年、記念企画の一環として過去の秘蔵5モデルの写真を公開。2012年製作のサイオンX86Dコンセプトはそのうちのひとつです。
発想の起点は、当時アメリカで若者向けブランドのサイオンが販売していた小型スポーツカー、FR-S。日本名「86」(初代)です。
そのユニークな超低重心パッケージ、つまりスバル製水平対向エンジン搭載のFR(フロントエンジン・リアドライブ)プラットフォームを活用して、全輪駆動のシューティングブレーク(クーペの流麗さを融合させたワゴンスタイルの呼称)に仕立てたのがサイオンX86Dコンセプトというわけです。
エクステリアは、低いボンネットや抑揚のきいたグラマラスなラインが印象的。真横および斜め後ろから見た際の佇まいは、往年のホットロッドをイメージしたと述べています。
蝶ネクタイ状の黒いグラフィックも特徴のひとつ。アクが強いと見る向きもありそうですが、コンセプトカーならではの強い個性があり、試みとしては面白いといえるのではないでしょうか。
市販化には至らなかった、いわば「幻の86ワゴン」。インテリアの写真は公開されていませんが、ドライバー中心のレーシーなイメージを盛り込んだと述べています。