2023年12月1日、トヨタのオーストラリア法人は、新型「ランドクルーザー70(以下ランクル70)」の豪州仕様を公開しました。日本と比べて多くの選択肢を有するようです。
■V8+MTの新型「ランドクルーザー70」発表
2023年12月1日、トヨタのオーストラリア法人は、新型「ランドクルーザー70(以下ランクル70)」を公開しました。
ランドクルーザーは、1951年に登場した通称トヨタ・ジープ(BJ型)をルーツとする本格SUV。大別してフラッグシップを担うステーションワゴン系、ライトデューティ系、ヘビーデューティ系と3つのシリーズがあります。
ランクル70はヘビーデューティ系に属し、1984年の登場以来、世界中でワークホースとして絶大な支持を得ています。
日本国内では2004年に販売終了、2014年に期間限定で再販、そして今年11月29日、9年ぶりに復活して注目を集めました。
一方、海外では一度も打ち切ることなく継続販売をしている国もあります。そのひとつがオーストラリアです。
新型ランクル70のボディタイプは、日本だとワゴンだけですが、オーストラリアではワゴンに加えて、シングルキャブ(2ドア2人乗り)、ダブルキャブ(4ドア5人乗り)、後席対面座席のトゥループキャリア(兵員輸送車)の計4タイプです。
加えて川などを渡る際に空気をエンジンに取り入れるパイプ「シュノーケル」が全車に装備されていたり、ボディカラーのバリエーションが日本より4色多い7色であったり、オーバーフェンダーをはじめ装備を簡略化した廉価グレードがあったりと、バリエーションが豊富です。
新型ランクル70のパワートレインは従来からある4.5リッターV型8気筒ターボディーゼル(最高出力205PS、最大トルク430Nm)+5速MTのほか、新たに2.8リッター4気筒ターボディーゼル(最高出力204PS、最大トルク500Nm)+6速ATを追加。後者は日本仕様に搭載されているものと同じです。
SUV需要の高まりは世界的な潮流ですが、手付かずの自然が残るオーストラリアではかねてからピックアップトラックを含めてSUV人気が顕著で、2022年の年間販売台数108万1429台のうち53.1%をSUVが占めています(オーストラリア連邦自動車会議所調べ)。
1位トヨタ「ハイラックス」(6万4391台)、2位フォード「レンジャー」(4万7479台)、3位トヨタ「RAV4」(3万4845台)といったように悪路走破性に優れた本格派が好まれる傾向にあり、ランドクルーザーも2万4542台と7位につけています。
新型ランクル70の価格は7万5600豪ドル(約725万円)から8万7600豪ドル(約840万円)。環境性能に優れたパワートレインを追加設定し、選択肢を広げたことでオーストラリアでのランクル人気が高まりそうです。