コインパーキングを利用する際に、思わぬ料金を請求されたというトラブルが発生しているようです。このような事態を避けるにはどうすればいいのでしょうか。
■わかりづらいコインパーキングの利用料金
SNSなどではコインパーキングを利用する際に、思わぬ料金を請求されたというトラブルが発生したという投稿を見かけることがあります。
このような事態を避けるにはどうすればいいのでしょうか。
先日、都内のコインパーキングで2万1450円請求された、といったお笑い芸人によるSNS投稿が話題を呼びました。
便利なはずのコインパーキングですが、なぜこうしたトラブルが相次ぐのでしょうか。
コインパーキングの料金体系は、利用時間に応じて課金する従量制です。「20分ごとに200円」「30分ごとに300円」などと加算されていくのが一般的です。
さらに、「入庫から12時間までは1200円」「22時から8時までは最大1000円」と、一定金額以上は加算されない時間帯を設けている場合もあります。
その一方で、こうした金額や時間などの適用条件は、駐車場ごとに違っています。
もちろん、駐車場の看板には表示されているのですが、その表現方法が独特な場合もあります。
そのため、利用者からは「わかりにくい」という声があがっているといいます。
コインパーキングの表示に関するトラブルについて、独立行政法人国民生活センターに寄せられた事例をみてみましょう。
たとえば、「1日最大500円」と表示された看板を見て、コインパーキングを5日間利用したところ、8700円を請求されたというもの。
こうした場合、1日最大いくらという表示は、実は駐車後1日間のみのものであり、1日を過ぎると時間あたりの料金体系が適用されています。
さらに、1日というのが駐車後24時間を指す場合と、当日の24時を過ぎると1日経過したとされる場合が混在しており、わかりにくさを増しています。
その条件は、24時間経過後は通常料金などと小さく表示されているケースがほとんどです。
利用者としては、単純に1日いくらの金額を掛け算して利用料金を考えてしまうので、このパターンの苦情は最も多いといいます。
また、平日料金と休日料金の違いがわかりづらい表示もみられます。
道路に面した看板には、1日最大いくらと強調表示。
しかし、それが平日にしか適用されないことが、クルマを降りて看板に近寄らないとわからなかったり、駐車場奥の看板に書かれていたりすることもあるようです。
つまり、料金について一定の条件があるにもかかわらず、コインパーキングを利用する前にそれを認識できないというのが、トラブルにつながっているといえるでしょう。
■料金トラブルを避けるために確認すべきポイントとは
「繰り返しなし。24時間経過後は通常料金」「最大料金は夜間と休日のみ」など、料金の適用条件は実にさまざまです。
SNS上でも、「最大2000円だと思っていたら1万6500円を請求された」といった驚きや怒りの声がよくみられますが、小さな表示を見落とした利用者がいけないのでしょうか。
表示に関するトラブルが多いことを受けて、一般社団法人日本パーキングビジネス協会では、「時間貸駐車場における表示・運用ガイドライン」を策定しています。
その中では、独特な表現を多用せずわかりやすく表示すること、大きく理解しやすく表示をすること、利用者が事前に確認できる状態で掲示すること、など10項目の指針が設けられています。
コインパーキングにはガイドラインに基づいた料金案内看板が設置されていることも覚えておくとよいでしょう。
そのうえで、利用する前に看板や精算機の表示、ホームページで料金を確認することをおすすめします。
最大料金については、時間やスペース、曜日などの条件をみるとよいでしょう。
適用回数などに上限がある場合は、1日限りなのか1回限りなのか、または、ある時間以降は通常料金が加算されるのか、といった細かいことをチェックする必要があります。
想定外の高額料金を避けるには、土日祝日やイベント開催時などに特別料金が設定されていないか確認するのもポイントです。
たとえば2018年には、青森ねぶた祭で普段の16倍の特別料金を設定した駐車場が話題になっています。
このように、いくつかの事前の確認方法はありますが、それでもわかりにくい表示によって想像以上の高額請求となってしまった場合は、どのような対処方法があるのでしょうか。
国民生活センターの担当者は、次のように話します。
「コインパーキングの表示に問題があったり、表示がわかりにくいため、料金設定を誤解して高額請求をされてしまった場合は、最寄りの消費生活センターなどに相談してください。
その際は、支払った領収証や、看板の表示の写真を記録してください」
このように、どうしてもわかりにくい表示のコインパーキングによって、高額な請求をされてしまった場合は、しっかりとその記録を残した上で、消費生活センターなどに相談することができます。
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コインパーキングを利用するときは、看板の大きな表示だけを見て決めずに、利用条件の表示をよく確認することが大切です。