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山脈貫通! 新潟‐福島つなぐ国道「八十里越」早くて2026年秋開通へ まず「暫定開通」を計画

くるまのニュース 2023年12月22日 16時40分

国道289号「八十里越」の開通見込みが、「2026年秋~2027年夏」と発表されました。ただしその際は、一部現道を活用した暫定開通となりそうです。

■三条~只見を直結

 新潟県三条市と福島県只見町を結ぶ国道289号「八十里越」の開通見込みが、「2026年秋~2027年夏」になりそうです。どのようなルートなのでしょうか。

 国土交通省北陸地方整備局長岡国道事務所と新潟県・福島県は2023年12月15日、国道289号八十里越の工事の進み具合と開通見込みを発表しました。

 国道289号は新潟市中央区から福島県いわき市までの約300kmを結んでいますが、そのうち新潟・福島県境の越後山脈を越える19.1kmの八十里越は現在、一般車が走れない通行不能区間となっています。地図では登山道の点線(破線)で結ばれている、いわゆる「点線国道」の一つです。

 この八十里越は、実際に昔の山道でも8里(約32km)ほどの距離がありますが、険しさゆえに1里が10里ほどにも感じられたことから「八十里」になったといいます。

 この区間では現在、クルマで通れるようにしようと国交省・新潟県・福島県が共同で道路整備事業を進めています。

 道路は2車線で設計速度50km/h。計画では、自動車通行不能区間を含む全長20.8kmを15本のトンネルで越えていくもので、最長は県境をくぐる9号トンネル(仮称)の3168mです。

 橋も15本以上が架けられますが、そのなかでも国交省施工の5号橋梁(仮称)は橋脚の高さが80m超となり、これは新潟県内で一番高く、国内でもトップクラスといいます。

 事業は1989年度の着工から30年以上が経過した現在も続いています。時間がかかる理由は、この地域が国内有数の豪雪地帯であり、1年の半分しか工事できないためです。

 開通時期については、2021年4月の時点で「今後5か年程度で全線開通」と公表されており、この通りであれば2026年頃の見込みでした。しかし今回の発表で「2026年秋~2027年夏」と少し繰り下がりました。背景として工程の遅れが生じているといいます。

 国交省の施工区間は、2023年夏に豪雨で斜面が崩落して追加工事をしたことにより約2か月遅延したこと、想定外の強固な岩盤が出てきて通常の機械では対応できず大型ブレーカーを用いた施工に変更して約5か月遅延したことなどが、工程に影響したといいます。

 また、福島県の施工区間は、平石山トンネル(仮称)周辺で用地取得に時間を要していることや、追加の雪崩対策が必要となることといった課題があり、「2026年秋~2027年夏」の開通の際は、一部現道を活用した暫定開通となるそうです。この場合、現道は依然として雪崩の危険があるため、冬期間は通行止めとなります。

 この福島県施工区間の工事が完了すると、冬を含め通年開通となる予定です。

 現在、全区間を通してトンネルは15本中14本、橋は20本中17本が概成しています。今後は残る用地取得や、トンネル、橋、スノーシェルター、スノーシェッド、舗装、電気設備工事などの工事が行われる予定です。

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