人気車のフルモデルチェンジや新たな派生モデルなど、2023年はさまざまな話題性のあるクルマが多く登場しました。どのようなモデルがデビューしたのかを振り返ります。
■人気車が続々フルモデルチェンジ!
2023年の新車市場は、話題性に富んだクルマが多く登場した年となりました。
そこで今回は、2023年に登場した新型車を総括。どのようなモデルが話題になったのでしょうか。
●トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」
2023年の新型車として外せないのは、トヨタ「アルファード/ヴェルファイア」です。
2023年6月に登場した新型アルヴェルは、基本コンポーネンツを共有した姉妹車ですが、今回のフルモデルチェンジではキャラクターの違いを明確化しました。
新型アルファードは、よりラグジュアリー志向が強まり、新型ヴェルファイアは見た目のクールな演出だけでなく、足回りの強化や2.4リッターターボエンジン搭載などでドライバーズカー的なイメージを強調しています。
そんな新型アルヴェルの魅力は「装備テンコ盛りの高級ミニバン」「人気車なのでカスタムも楽しめそう(個性の演出)」、「安定したリセールバリュー(下取り)」が期待できること。
何よりアルヴェルという“ブランド”が、オーナーの所有欲を満たしてくれるでしょう。
●ホンダ「N-BOX」
現在、日本の新車市場は約4割を軽自動車が占めており、今では軽がすっかり市民権を獲得しています。
その立役者は軽ハイトワゴンと、そこから派生したスーパーハイトワゴンと言っても過言ではなく、なかでもホンダ「N-BOX」は軽自動車のみならず、新車販売総合ランキングでもトップになるなど、軽自動車界の絶対王者として君臨しています。
そんな軽ワゴン界のトップセラーが2023年10月にフルモデルチェンジ。2012年に初代、2017年に2代目が登場していますが、この3代目はキープコンセプトの全面刷新をおこないました。
というのも、プラットフォームやエンジンなど基本コンポーネンツは大人気だった2代目をキャリーオーバー。従来型のオーナーからも評価が高く、ユーザーが大きな変化を求めていないこともあり、キープコンセプト路線を選択したようです。
エクステリアは先代のイメージをほぼ踏襲しつつ細部を熟成したほか広さや使い勝手など高く評価されている部分は変えず、サスペンションなども従来型と同じながら新たなチューニングで直進安定性が向上し、N-BOXとしての魅力がさらにアップしています。
■SUVでもさまざまなモデルが登場
●スバル「レヴォーグ レイバック」
スバル「レヴォーグ」は、スバルらしさを凝縮したスポーツワゴンとして知られています。
クルマとしての完成度が高いのも魅力のひとつなのですが、今はSUVが中心。そこで、レヴォーグのSUVモデルとして、新型「レヴォーグ レイバック」が2023年10月に登場しました。
最低地上高を200mm確保し、レイバック専用の装備やエクステリアデザインを加えクロスオーバーSUVとして追加。パワートレインは1.8リッターターボを搭載し、日常で扱いやすい走行性能を実現しています。
スポーティなレヴォーグに対し、ゆったりとした走りを特徴とする新型レイバックですが、少し上がった車高が乗り心地の柔らかさを演出。そのうえ、キャンプ場などの段差も気にせず走れます。
レヴォーグとはもう少しキャラクターが違うデザインでも良かったかもしれませんが、それでも新型レイバックは長く付き合えそうな1台といえそうです。
●三菱「デリカミニ」
最近の三菱は、PHEVやEVをいち早く導入したり、SUVでもオフロード志向が強めるなど、個性的なモデルをラインナップしています。
そして2023年5月に登場したのが新型「デリカミニ」です。
新型デリカミニは、従来モデルの「eKクロススペース」のマイナーチェンジモデルとして登場したのですが、SUVらしい力強さを感じさせる「ダイナミックシールド」のデザインのなかに半円形のヘッドライトを組み合わせ、SUVらしくも愛嬌がある表情を実現。
この路線が見事にハマり、高い評価を得ています。
そして、兄貴分の「デリカD:5」とはサイズもデザインも違うのですが、どちらもアウトドアレジャーに適したモデルであることは共通する点だといえます。
なお、4WDモデルは大径タイヤや専用ショックアブソーバーを装備。悪路での安定性と快適性を高めたほか、滑りやすい路面での発進を補助する「グリップコントロール」といった電子制御機構によって、悪路において安全な走りを実現します。
●マツダ「MX-30 ロータリーEV」
今や世界的に見てもどこも手をつけていない「ロータリーエンジン」ですが、マツダが同エンジンを搭載したモデルを新たに発売しました。それが「MX-30 ロータリーEV」です。
クロスオーバーSUV「MX-30」をベースに、「RX-8」で終了したはずのロータリーエンジンを発電用として活用。
17.8kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、EV(電気自動車)として107kmのEV走行距離が可能(WLTCモード・等価EVレンジ)。
マツダの独自技術であるロータリーエンジンを発電に用いるシリーズ式プラグインハイブリッド(PHEV)としても、さらなるロングドライブを可能としています。
「RX-8以来」といえば、MX-30シリーズは個性的な「観音開きドア」を採用していることも特徴のひとつです。
正式名称は「フリースタイルドア」といい、大開口であることから乗降性や荷物の積載性など、使い勝手の良さに配慮しました。