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日産「4ドアGT-Rセダン」がスゴい! 「R35」と同じV6ツインターボ×4WD採用! 市販化も検討された「4ドアスーパーセダン」とは

くるまのニュース 2023年12月29日 17時10分

日産が海外で展開している高級ブランド「インフィニティ」は過去に「スカイラインGT-Rセダン」ともいえるコンセプトモデルを発表していました。どのようなクルマなのでしょうか。

■市販化の検討もされた「幻のGT-Rセダン」

 2023年8月に日産が発表した「スカイラインNISMO」は、スカイライン史上最強スペックに加え、「スカイラインGTの集大成」と称することで話題となりました。
 
 しかし、かつて日産が北米などで展開している高級ブランド「インフィニティ」は、実質的に“スカイラインGT-R セダン”と呼べそうな、ハイパワーな高級セダンを披露していました。

 2014年に開催された「北米自動車ショー(NAIAS・通称デトロイトショー)」で、インフィニティは「Q50 Eau Rouge Concept(オールージュ コンセプト)」を世界初公開しました。

 ベースはインフィニティのミディアムサイズセダン「Q50」で、スカイライン(現行・V37型)のインフィニティ版です。

 Q50オールージュコンセプトは、そんなQ50をベースに内外装だけでなくパワートレインまでも強烈にカスタムしたコンセプトカーで、当時インフィニティは「将来のインフィニティラインナップにおけるハイパフォーマンスモデルの予感を高める」と説明していました。

 エクステリアはカーボン製の専用ボディを用いて大幅な軽量化(重量は非公開)を実現。ボディカラーは専用色となる光沢を強めた濃いレッドを採用し、野心あふれるスタイルを表現しました。

 この専用ボディは標準のQ50よりもフロント・リアフェンダーが20mm拡幅され、筋肉質でワイドなスタンスをまとっています。

 ボディが拡幅されたことでトレッド(左右タイヤ中心間距離)も20mm広がり、走行安定性を高め、ホイールも標準の19インチから大径化された21インチの鍛造軽量アルミホイールを装着。

 フロント・サイド・リアには、カーボン素材むき出しのスポイラーを備えたほか、トランクにはQ50よりも大型化されたカーボン製リアスポイラーを装備し、空力性能を向上させるとともに、スポーティなイメージを一層強めています。

 なお、リアバンパー下部に装備されるフォグランプの形状はF1にインスピレーションを受けたデザインだといいます。

 グリル周囲やドアハンドルなど、エクステリアの各部に用いられているメッキモールはダーククローム仕上げとし、精悍さをアピールします。

 一方で、インテリアは快適性や上質さが追求された仕上がりです。

 Q50の本来のデザインはそのままに、外装と同じくダークレッドのカーボン製パネルを装備し、F1マシンと同等のパドルシフトやハイグリップステアリングなども備えています。

 さらに、Q50オールージュコンセプトの最大の特徴はパワートレインで、ベースのQ50やスカイラインとは一線を画すものとなっています。

 エンジンはスーパースポーツモデル「GT-R(R35型)」に採用された3.8リッターV型6気筒ツインターボ「VR38DETT型」を搭載。最大出力は568馬力・最大トルクは600Nmを誇ります。

 これに7速ATとトルク配分50:50のフルタイム4WDシステムを組み合わせ、最高速度は290km/hをマークするといい、スカイラインGT-Rセダンと呼んでも差し支えないハイパフォーマンスセダンに仕上がりました。

 ちなみ、「オールージュ」の名前はベルギーのサーキット「スパ フランコルシャン」のコース前半にある名物コーナーが由来で、実際にQ50オールージュコンセプトは2014年8月に同サーキットを走行しています。

 ステアリングを握ったドライバーは2013年・2014年と「インフィニティ・レッドブル・レーシング」に所属し、幾多もの表彰台を獲得しているドイツのセバスチャン・ベッテル選手で、当時以下のように語っています。

「Q50オールージュのパワーには間違いなく不足はありません。興味深い一日でしたし、とても楽しかったです。

 世界で最も要求の厳しいコーナーの1つである『オールージュ』を、実際にQ50オールージュで走行するという任務を与えられたことは光栄でした」

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 なお、Q50オールージュコンセプトは市販化の検討はされたものの、実際には販売されることはありませんでした。

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