ホンダの関連会社、ホンダアクセスは、「オデッセイ」をSUV化した「オデッセイ クロスクルーザー」を過去の「東京オートサロン」に出展していました。クロスオーバーテイストの斬新なミニバンについて紹介します。
■高級路線で再販を開始した「オデッセイ」にあった「SUV仕様」!?
例年1月に開催され、様々なカスタムカーが集まり話題を呼ぶ「東京オートサロン」ですが、なかには市販化が期待されるほど完成度の高いモデルも数多く出展されています。
ホンダ車の純正アクセサリーなどの企画・製造を行うホンダアクセスが過去に出展した「オデッセイ クロスクルーザー」もそんな注目の1台でした。
2023年12月、約1年3ヶ月ぶりに日本国内市場へ「復活」した「オデッセイ」。
もはや詳細な説明はいらないと思えるほど、知名度の高いホンダのミニバンですが、最新型ではパワートレインがe:HEVと呼ばれるハイブリッドのみ、さらに2列目シートは電動のオットマンやリクライニング機能を備えた豪華な仕様となっています。
後席(2列目シート)の居住性や快適性を重視した装備内容からは、従来のファミリーユースを主眼においたミニバンから、ショーファーといわれる高級セダンへと路線を変更した印象を受けます。
とはいえ、この「ラグジュアリー×ミニバン」というのはもはや世界的なトレンド。日本国内市場へ再上陸した新型オデッセイに注目したいところです。
そんな新型オデッセイの基本設計は、2013年に登場したRC1/2型へとさかのぼります。
オデッセイとしては5世代目にあたるモデルで、3&4代目の共通デザインであった全高を抑えたフォルムから一変、リアドアも両側ともにスライド式を採用するなどミニバンの王道といった仕様に生まれ変わりました。
3列目シートも3名乗員を可能とし、当初は8名乗員仕様が設定されたことも特徴といえます。
高級車路線へと舵を切った新型オデッセイですが、実はSUV的なエッセンスを加えたコンセプトカーがあったことをご存知でしょうか。
それが2018年初頭に開催された「東京オートサロン2018」にて披露された「オデッセイ クロスクルーザー」です。
■実は次世代「モデューロX」の姿を模索していた可能性も!?
オデッセイ クロスクルーザーは、ホンダ車向け純正アクセサリーを手がけるホンダアクセスが、5代目オデッセイのハイブリッドAbsolute(アブソルート)をベースに開発したコンセプトモデルです。
車体はサスペンションの交換によりリフトアップして最低地上高を稼ぎ、エクステリアには専用形状の前後バンパーやサイドステップを装着。エアロパーツの下部にはシルバー加飾が備わり、樹脂製フェンダーモールの装着などにより、SUVテイストが高められています。
またタイヤはBFグッドリッチ製のオールテレーンT/Aと本格的であることも、「リアル感」の演出にひと役買っています。
インテリアもシート表皮をオリジナルのものに変更しているほか、フロントシートの背後部分はウッド調とされるなど、完成度の高さはさすが自動車メーカー直系と思えるもの。
よく見ると、逆台形のロアグリルを備えるフロントマスクは、どことなく「フリード モデューロX」(後期型)と共通する印象もあり、オデッセイ クロスクルーザーは“モデューロX”の新たなる可能性や、あるいはスポーツ路線ではなく新たなコンプリートカーの存在を匂わせる存在だったのかもしれません。
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残念ながらその後もオデッセイ クロスクルーザーが市販されることはありませんでしたが、三菱「デリカD:5」の例を挙げるまでもなく、ミニバン×SUVというクロスオーバーは全然アリ。むしろこれから人気が高まるカスタムトレンドといえるかもしれません。
オデッセイの車名が日本国内の新車ラインナップに復活した現在、コンプリートカーではなくカスタムパッケージとしてでも、ぜひ市販化を期待したいアイテムといえるでしょう。