前走車がブレーキランプを点滅させていることには、どのような意味があるのでしょうか。
■ブレーキランプ「点滅」 何のサイン?
運転中に、前を走るクルマがブレーキをチカチカと点滅させているのを見かけたことがあるかもしれません。
これはわざと点滅させているパターンと、システムが作動しているパターンが考えられますが、どういった意味があるのでしょうか。
赤信号で停止する時や、渋滞の最後尾に追いついた時など、ブレーキをグッと踏み込んで減速し、停止します。
ブレーキを踏んだタイミングに合わせてクルマのリアにあるブレーキランプが赤く点灯することで、後続車は前のクルマがブレーキを踏んだことを認識することが可能です。
この時、ブレーキランプが点滅するようにチカチカと光ることがありますが、これはドライバー自身が意図的に操作している場合と、ブレーキランプが点滅するシステムが作動している場合があります。
ドライバーが操作しているパターンでは、ブレーキを踏み始めから停止まで一回で踏む人の他に、ブレーキランプがチカチカと点滅するように、最初に何度かポンポンと踏んでからグッと踏み込むという人がいます。
これは「制動予告」といい、後続車にこれから減速や停止のためにブレーキを踏むことを後続車に知らせる目的で、あえて点滅させることがあります。
特に、急に路上障害物が現れたり、渋滞の最後尾に追いついてしまったりなど、ブレーキを踏むことを後続車が予測しづらいシチュエーションでは、後続車のドライバーも異変を早期に察知できるため有効です。
もし自分の前を走行しているクルマがブレーキランプをチカチカと点滅させたら、「前方に何か異変があってこれから減速や停止をするのかもしれない」と予測して、早めに減速したり車間距離を取ったりなどの対応をしましょう。
他にも、近年では急ブレーキを踏んだ時に自動的にブレーキランプが高速で点滅を繰り返す「エマージェンシーストップシグナル」を搭載したクルマも増えています。
例えば日産「ノート」では、60km/h以上の速度で走行中に急ブレーキを踏むとエマージェンシーストップシグナルが作動し、制動灯つまりブレーキランプが点滅して後続車に知らせる仕組みです。
その後、ブレーキから足を離すか、ブレーキを踏んでいても急ブレーキではなくなった場合に点滅が終了しますが、こちらはドライバーが意図的にポンポンとブレーキペダルを操作するよりも、規則的で素早く点滅しながら急減速することになると考えられます。
エマージェンシーストップシグナルの中には、ホンダ「N-BOX」のように通常通りブレーキランプが点灯した上でハザードランプが素早く点滅するタイプのクルマもあります。
走行中に前方を走るクルマのブレーキランプが点滅したら、急ブレーキを踏んでいる可能性があることを知っておくと、いざという時に慌てず対処できるかもしれません。
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ブレーキの踏み始めにブレーキランプをチカチカと点滅させている人は、後続車に減速や停車を知らせる「制動予告」の目的で行っていることがあります。
あるいは、急ブレーキを踏んだことによりエマージェンシーストップシグナルのシステムが作動している可能性も考えられます。
どちらの場合においても、前のクルマが大幅に減速したり、急停車することが考えられるので、追突事故を起こさないよう早めにブレーキを踏むとともに、必要に応じてハザードの点灯も行うと良いでしょう。