ホンダは新たなグローバルEVのコンセプトカーとして、新型「サルーン」を世界初公開しました。一体どのようなモデルなのでしょうか。
■新たな「Hマーク」エンブレムを装着
ホンダは2024年1月10日、米国・ラスベガスで開催された「CES 2024」において新グローバルEV「Honda 0シリーズ」のコンセプトモデルを世界初公開しました。
Honda 0シリーズとは、同社が2026年よりグローバル市場への投入を開始する予定の新たなグローバルEVシリーズです。
同シリーズについて「グローバルブランドスローガンや電動化方針のもと、大きく変革するホンダを象徴するEVシリーズ」と説明しており、新たなEVシリーズの開発には、「ホンダのクルマづくりの出発点に立ち返り、ゼロから全く新しいEVを創造していく」という決意が込められているといいます。
また、ホンダがクルマづくりで大切にしてきた理念である「M・M思想（マン・マキシマム／メカ・ミニマム思想）」と「操る喜び」、「自由な移動の喜び」をさらなる高みへと進化させます。
長い航続距離を確保するためのバッテリー搭載量の増加や、それを搭載するための車体やプラットフォームの大型化などにより、EVは「厚くて重い」というイメージがありますが、Honda 0シリーズは新たなEVの価値を創造することを目指しているとのこと。
この新たなEV開発アプローチを「Thin, Light, and Wise（薄い、軽い、賢い）」と表現しています。
Thin（薄い）は、薄いEV専用プラットフォームによる低全高のスタイルなどデザインの可能性を拡張するとともに、高い空力性能を実現、Light（軽い）は独自技術によって従来のEVの定説を覆す軽快な走りと電費性能を実現、Wise（賢い）はクルマそのものが賢くなる、ホンダ独自のソフトウェアデファインドモビリティを実現することを示しました。
この開発アプローチのもと、専用に開発したアーキテクチャーを軸に、「共鳴を呼ぶ芸術的なデザイン」、「安全・安心のAD／ADAS」、「IoT・コネクテッドによる新たな空間価値」、「人車一体の操る喜び」、「高い電費性能」という5つのコアバリューを提供するといいます。
そして、Honda 0シリーズのコンセプトモデルとして、新型「SALOON（以下、新型サルーン）」と新型「SPACE HUB（以下、新型スペース ハブ）」がお披露目されました。
そのなかで、新型サルーンとはどのようなモデルなのでしょうか。
Honda 0シリーズのフラッグシップコンセプトモデルである新型サルーンは、EV専用アーキテクチャーにより、デザインの自由度を拡張。EV時代におけるM・M思想を昇華させたモデルです。
本来、サルーンは「セダン」を表しますが、クーペのような流線形のフォルムが印象的。4人乗りの2ドアモデルで、上へ大きく開くガルウイング方式のドアが採用されました。
車内は、低全高でスポーティな外観からは想像できないほど広い室内空間を確保しています。
インパネはシンプルで直感的な操作が可能なHMI（ヒューマン・マシン・インターフェース）を採用したほか、飛行機の操縦かんのような斬新で近未来的なステアリングホイールを取り入れ、全体的に洗練されたシームレスなUI（ユーザー・インターフェース）を実現しました。
さらに、ステア・バイ・ワイヤの採用に加え、ASIMO（アシモ）などで培われたホンダ独自のロボティクス技術による姿勢制御などのモーションマネジメントシステムをさらに進化させ採用することで、様々な走行シーンにおいてドライバーの思い通りにコントロールすることが可能だといいます。
また、内外装の素材にサステナブルマテリアルを採用するなど、EVらしくクルマを構成する素材から環境への配慮がおこなわれました。
その他の特徴として、次世代EV向けの新たな「Hマーク」エンブレムが装着されています。
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Honda 0シリーズの第1弾となるモデルは、2026年より北米市場を皮切りに、日本、アジア、欧州、アフリカ・中東、南米など、グローバル各地域へ投入される予定です。