雪が降っている際に駐車しているクルマの「ワイパーは立てておくべき」という話を聞きます。一方で「むしろ立てないほうがいい」という意見も。ワイパーを立てることのメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
■なぜワイパーを立てておくべきなのか…答えは凍結対策だった!
2024年1月13日夕方には東京都内でも積雪が見られました。雪が降る際には駐車時に「クルマのワイパーを立てるべき」という定説があります。
一方で「むしろ立てないほうがいい」という意見も。ワイパーを立てることのメリット・デメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
豪雪地帯では、雪が降りそうな日は、駐車しているクルマのワイパーを立てておくといいと言われることがあります。
おそらく、毎年雪の降る地域に住んでいる人であれば必ずと言っていいほど聞いたことがあるアドバイスでしょう。
一方で、あまり雪の降らない地域に住んでいる人や、雪の降る地域に引っ越してきたばかりの人の中には、その風習を聞いたことがない人も多いかもしれません。
しかしそれでは、いざ雪が降った時にクルマを運転できなくなってしまう恐れがあります。
では、雪の日にワイパーを立てるのにはどのような理由があるのでしょうか。
雪の日にワイパーをあげる理由について、降雪量の多い地域のディーラーの担当者は以下のように話します。
「ワイパーを寝かせたままにしておくと、凍ってフロントガラスに張り付いてしまう恐れがあります。
あらかじめワイパーを立てておくことで、フロントガラスとワイパーが張り付いてしまうのを防ぐことが可能です」
ワイパーがフロントガラスに張り付いてしまうと、溶けるまではワイパーを使用できなくなってしまいます。雪が降っている場合、ワイパーなしで運転することはできません。
また、凍りついたワイパーを無理やり動かそうと操作すると、ワイパー本体や、ワイパーを制御するモーターが壊れてしまう可能性も。
こうした事情を考えると、ワイパーは必ず立てた方がよいように思えます。
しかし、ワイパーは「むしろ立てないほうが良い」という説もあります。
実際、ワイパーを立てたことが一因となってワイパーが壊れてしまうケースもあるようです。それは大雪の時や、屋根からの落雪が想定される時などがあげられます。
これは立っている状態のワイパーに対して雪の重みがのしかかることで、ワイパーが折れてしまうおそれがあるからです。
ワイパーが壊れてしまった場合は、車種によるものの、一般的には数千円での修理になるとされています。他のクルマの故障と比べると修理にかかる金額は安いものの、決して小さな金額ではありません。
よほどの大雪でなく、車の上に雪を落とすような屋根がない時には、ワイパーを立てておいたほうが良いかもしれません。逆に大雪の日や近くに屋根がある日は立てないほうが良いケースも。
状況に応じて柔軟に対応することが求められるでしょう。
■ワイパーだけではない! 雪の日の乗車に必須の一手間とは
では、万が一ワイパーが凍りついてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。
焦って無理やり剥がそうとしてしまうと、ワイパーのゴム部分が破損したり、フロントガラスにワイパーの一部がこびりついてしまうことがあります。
凍りついたワイパーを剥がす際は、水やぬるま湯をかけ、ゆっくりとワイパーを溶かすようにしましょう。
この際、熱湯を使ってしまうと急激な温度差によりフロントガラスが破損してしまう可能性があります。熱湯は絶対に使用しないようにしましょう。
また、雪が降った場合に行うべきことは他にもあります。
走行する前に、かならず屋根の雪を降ろしましょう。
雪を載せたまま運転すると、ブレーキを踏んだ際、やや溶けた雪が慣性でフロントガラスに滑り落ち、視界を塞いでしまう恐れがあります。
また、エアコンを効率よく効かせるためには、ワイパーの近くにあることが多いエアコンの外気取り入れ口の近くをしっかりと除雪しておくことが大事です。
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雪の多い地域でクルマのワイパーを立てておいた方がいいとされる理由は、ワイパーが凍ってフロントガラスに張り付くのを防ぐためです。
ただし、場合によってはワイパーに雪がのしかかって破損に繋がる恐れがあるので、状況をみて判断するようにするのが大切だといえます。