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軽自動車に「軽油」入れる人多い!? なぜ減らない? 大半は「軽」の文字に困惑! なぜ「ディーゼル」と呼ばない?

くるまのニュース 2024年1月18日 9時10分

日本ではディーゼル燃料のことを「軽油」と呼びます。しかし、あまりクルマを知らない人では軽自動車用の燃料だと勘違いしてしまう人が一定数存在します。確かに紛らわしいようにも思えますが、なぜ「軽油」という名前になったのでしょうか。

■なぜ紛らわしい「軽油」と呼ぶのか

 度々話題となる「軽自動車に軽油を入れる」というトラブル。
 
 同じ「軽」という文字が使われていることが原因の給油トラブルですが、海外では「ディーゼル」と呼ばれています。
 
 なぜ日本では軽油と呼ばれているのでしょうか。

 日本のガソリンスタンドで売られている燃料は、レギュラー、ハイオク、そして軽油の3種類であり、クルマによって指定される燃料は異なります。

 セルフスタンドでは、ユーザーが自分で燃料を選択、給油する必要がありますが、「軽自動車には軽油」という勘違いから、誤って給油するというトラブルがたびたび発生しています。

 JAFの公開する情報によると、2022年10月に誤給油での救援要請は105件にものぼったとのこと。なお、そのうち59%はガソリン車に軽油を入れてしまったケースだったようです。

 クルマのエンジンは、ガソリンエンジンと軽油で動くディーゼルエンジンの2種類に大別され、現在販売されているすべての軽自動車はガソリン車。

 軽自動車に軽油を入れてしまうと、クルマが故障し、動かなくなってしまうといったトラブルに繋がります。

 軽自動車用の燃料ではないのに、「軽」油という名前がついているのは、ユーザーにとっては紛らわしいもの。では、なぜ軽油という名前になったのでしょうか。

 軽油は石油を精製して作られる製品であり、同じように精製される製品には軽油より比重の重い重油があります。

 その重油に対して比重が比較的軽い製品であることから、軽油という名前になったという背景があります。

 なお、軽油を使用するディーゼルエンジンの大きな特徴は、低回転でのトルクが大きく、大排気量時の燃焼効率が良い点です。

 ガソリンエンジンの場合は一気筒あたりの理想的な排気量は500cc程度とされている一方、大型自動車に使用されるディーゼルエンジンの一気筒あたりの排気量は2000ccを超えることも。

 逆に排気量が小さくなると、ディーゼルエンジンの燃焼効率は大きく低下します。

 また、排気ガスに含まれる有害物質を除去する触媒も高額であることを考えると、ディーゼルエンジンの軽自動車が販売されることは考えにくいでしょう。

 クルマ用のディーゼルエンジンは大排気量のトラックなどで使われることが多く、国内でクルマ用に消費される軽油のうち、8割以上は貨物自動車に使用されています。

■実際に入れ間違えてしまったら?高額修理に発展するケースも

 では、実際にガソリン車に軽油を誤給油してしまったらどうなるのでしょうか。

 都内のガソリンスタンドの担当者は、以下のように話します。

「万が一誤給油してしまっても、エンジンをかける前に気がつけば故障せずに対処することが可能です。

 その場で、もしくは修理工場に運んで誤給油してしまった軽油を抜き取り、タンクに正しい油種を入れ直すことで問題なく走行できるようになります」

ディーゼル車では給油口にディーゼルと表記されていることもある

 しかし1度エンジンをかけてしまうと話は別です。

 最初はガソリンタンク内に残っているガソリンと混ざって燃焼しますが、次第に不完全燃焼によってパワーが落ち、マフラーから黒煙が出るなどの症状が発生し、最終的にはエンジンが停止します。

 その場合は燃料タンク内の洗浄に加え、燃料フィルターの交換等の作業が必要になるケースもあり、修理費用は高額になります。

※ ※ ※

 日本で見られるセルフスタンドには、ユーザーが油種を指定した後、店舗スタッフが許可を出さないと給油が開始されないシステムがあります。

 しかし車種と油種が合っているか、全て確認することは現実的に難しく、誤給油を防ぐことができないケースも。

 最近のクルマの給油口や蓋には、指定された油種が書いてあります。

 自分のクルマが指定する油種とガソリンスタンドで購入する油種が合っているかを必ず毎回確認し、誤給油が起きないよう心がけましょう。

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