カスタムカーイベント「東京オートサロン2024」には、輸入車をカスタマイズしたモデルも多数出展されていましたが、なかでもかわいらしいフランス製コンパクトをド迫力に変身させた「セラヴィ」は多くの人から注目を集めていました。
■オシャレさと迫力を兼ね備えた「輸入コンパクト」カスタム
2024年1月12日から14日まで開催されたカスタムカーイベント「東京オートサロン2024」に展示された、迫力のオーバーフェンダーを持つ2台のオシャレな輸入コンパクトカー。
そのコンセプトはどのようなものだったのでしょうか。
東京オートサロン2024には、輸入車のカスタムカーも数多く出展されていましたが、なかでもひときわ目を引いていたのが、レーシーに装われた2台のルノー「トゥインゴ」です。
このトゥインゴを手がけたのは、1947年創業という長い歴史を誇る畑野自動車(埼玉県草加市)。
輸入車を中心とした中古車販売だけでなく、整備・チューニングなど幅広く手がける同社は、近年ではカスタムカーの製作も行なっています。
2019年の東京オートサロンには、ランチア「デルタ インテグラーレ」のチューニングカー「DELTA fenice 105」を、昨年2023年にでは「アルピーヌA110」をベースに、1970年代のグループ4マシンを現代解釈した「RAVAGE Japan by 畑野自動車」を展示。
いずれもインポートカー部門優秀賞を受賞しており、高いセンスと技術力が大いに注目されています。
その畑野自動車が今回持ち込んだトゥインゴは、赤い「C’eLavie 105(セラヴィ105)」と青い「C’eLavie 105 MAXI Concept(セラヴィ105 マキシコンセプト)」の2台。
モデルチェンジを機に、一般的なFF(フロントエンジン・前輪駆動)レイアウトを止め、RR(リアエンジン・後輪駆動)に刷新して話題を呼んだ3代目トゥインゴを、さらにグッとワイド化したカスタムカーです。
3代目トゥインゴは、全長3645mm×全幅1650mm×全高1545mmという極めてミニマムなサイズのA/Bセグメントに属するコンパクトカーです。
元々のデザインがルノーの小型傑作車「初代 5(サンク)」をオマージュしているだけに、ルノー自身が3代目トゥインゴ発売前に公開したコンセプトカー「トゥインラン」も、5をミッドシップ化したモンスター、「5ターボ」をイメージさせるデザインを採用していました。
車名の「105」の由来は「オーバーフェンダーの張り出し量」を示すとのこと。
スポーツグレード「トゥインゴGT」をベースに、サーキット仕様に仕立てられたセラヴィ105 マキシコンセプトでも、まさに5ターボを思わせる角ばったオーバーフェンダーを装着。
張り出し量は片側で105mmもあるため、そのリアビューはまさに5ターボのようです。
フロントには大型のスポイラーと6灯式のフォグランプが与えられ、のどかな印象のトゥインゴを力強いマスクに変身させています。
6灯フォグランプは、1985・1986年に活躍した5ターボのエボリューションモデル「5マキシターボ」をイメージしています。
なおセラヴィ105 マキシコンセプトは今回の展示終了後、エンジンを3.5リッターのV6スーパーチャージャーに換装すると発表されています。
軽量ボディにハイパワーエンジンを組み合わせたアツい走りを想像しただけで、ワクワクさせられます。
次なる進化も楽しみです。
■「フレンチブルドック」みたいな「かわいらしさ」も
もう一台のシックなレッドメタに塗られたセラヴィ105は、市販予定のコンプリートボディキットを装着したカスタムカーです。
オーバーフェンダーの張り出し量は「左右合計で105mm」に抑えられていますが、それでも片側+50mmは迫力満点。
畑野自動車が「子犬みたいなオリジナルモデルの可愛さはそのままに、フレンチブルドッグのようなちょっと背伸びした雰囲気を狙う」とうたう通り、凄みと可愛らしさが両立したデザインを実現しています。
セラヴィ105のベースは、0.9リッター直3ターボ+6速EDC(エフィシエント・デュアル・クラッチ)を積むトゥインゴ インテンス(キャンバストップ)。
特にチューニングなどは行われていませんが、トラクションコントロールOFFコーディング、エンジン・ミッションの強化マウント、パワーアップキットなどのオプションを拡充していくとのことです。
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まとまりがあり、洗練されたデザインと美しい仕上がりを誇るセラヴィ105。
日本発のチューニング・フレンチカーとして、今後の発展が期待されます。