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まさかの「ダミー」仕様登場!? 謎の「半固定式オービス」に新種! 神出鬼没な「速度取締り機」の新たな実態とは

くるまのニュース 2024年2月8日 11時10分

大阪府の阪神高速道路で2024年1月末、従来の固定式オービスに代わる「半固定式オービス」に“新たなタイプ”が設置されました。どのようなモノなのでしょうか。

■次世代の「半固定式オービス」が阪神高速道路に新登場

 近年になって急激に姿を変えつつあるのが、高速道路などに設置される速度違反自動取締装置、通称「オービス」です。
 
 大阪府の阪神高速道路にも多くの固定式オービスがありますが、最近それらが次々と撤去され、入れ替わるように「半固定式オービス」と呼ばれる新しいタイプが2024年1月末に3か所も設置され、さらに従来とは異なる「ダミー」の仕組みもプラスされました。

 半固定式オービスとは、拠点とよばれる電源などが備わった土台部分のみを複数個所に設置しておき、オービス本体だけを不規則に移動させてゆくタイプです。

 既に阪神高速には3か所の拠点が2021年に設置されていますが、これで計6カ所になりました。

 従来の固定式オービスを6か所作るよりもはるかにコストを抑えることができ、また本体を取り外せるためメンテナンス作業もしやすいと思います。

 6か所の拠点に対しオービス本体は1台か2台なので、本体がセットされていない拠点は空の状態というわけですが、ドライバーは本体の有無が分かりにくいので、全ての拠点で速度を抑えるようになります。

 これで従来の固定式と移動式、そして半固定式のオービスが揃ったことになりますが、その違いはどこにあるのでしょうか。

 従来からある大型の固定式オービスは、365日雨でも風でも常時連続して稼働しますが、設置費用が高いのと、場所が覚えられると効果が下がるとい欠点がありました。

 移動式オービスは神出鬼没でどこにでも設置できますが、警察官が近くにいる必要があるのと、バッテリーの問題で数時間しか運用できません。

 そこで半固定式オービスは、拠点の数を増やすことにより速度抑止できるエリアを増やし、尚且つ連続運用も可能となる優れものです。

■「半固定式オービス」はダミーの可能性も!? 巧妙な「新機能」とは

 ドライバーは本体の有無が分かりにくいと述べましたが、一部のオービスに詳しいドライバーは、拠点を通過する時にオービス本体が入っているか、入っていないかを判別することが可能で、その情報はすぐにSNSなどを通じ拡散されることもあります。

 それを気にしたのかどうかは不明ですが、今回設置された拠点には新たに「ダミー機能」が追加されました。

良く見ると中身は「空っぽ」!? 新たに「ダミープレート」が装着された「半固定式オービス」設置拠点[撮影画像:道路管理関係者提供]

 作りはいたってシンプルで、少し離れるとオービス本体のように見える金属製のプレートを取り付けてあるだけです。

 このアイディアを考えた人は天才かもしれません。

 さらにこのダミープレートはコの字型の鉄パイプと一体になっており、本物のオービス本体をセットする場合は簡単に側面へ移動できる仕様となっているようです。

 個人的にはダミープレートの白色枠を少し細くすればより本物らしく見えると思いますが、これで半固定式オービス本体の有無に関するSNS情報で画像添付のないものは信用できなくなり、警察や製造メーカーの一歩リードといえます。

 このように半固定式オービスは、固定式と移動式のメリットを合わせたような機器で、2021年4月に大阪府の阪神高速に登場した後、熊本県、長野県、茨城県、福井県、静岡県、福岡県の7府県に設置されています。

 大阪府以外の拠点は3か所ずつなので、全国には24カ所の拠点が存在します。

 今後、複数の県警で導入する噂もあるので、これからも数を増やしていくと考えられます。

 さらに移動式オービスと併用することにより、より速度抑止効果が高まります。

 現在も高速道路上で移動式オービスの運用が増えてきましたが、連続運用可能な半固定式オービスと神出鬼没の移動式オービスの組み合わせにより、走行速度に注意するドライバーは増えると思います。

■オービス手前の「予告看板」はどうなった!?

 手前に設置されている予告看板ですが、半固定式オービス専用のものは少し小さく控えめなサイズです。

 固定式オービスは、設置場所の手前に「自動速度取締路線」などと書かれた大きな看板が太い支柱で道路にかぶさるように設置されていましたが、半固定式オービス用の看板は路肩に道路標識くらいの感じで立ててあり、夜間だと気が付かないドライバーも多いと思います。

 さらに今回新設された阪神高速の拠点には、予告看板が付いていない路線もありました。これはまだ設置が未完了で、稼働前だからかもしれません。

写真は「ダミープレート」が装着されていない状態の「半固定式オービス」設置拠点[撮影画像:道路管理関係者提供]

 オービスに限らず交通取締りは危険だったり、つい速度が出やすい場所で行われます。

 また、オービス付近では急ブレーキを踏むドライバーもいるので、予め情報を把握することは安全運転にも役立つと筆者(オービスガイド運営:大須賀 克巳)は思います。

 今回、阪神高速に新たな拠点が設置されましたが、拠点横を通過する際には「オービス本体入り」か「空の状態」か「ダミー状態」かを安全な速度で確認するのも楽しいかもしれません。

※ ※ ※

 なお、阪神高速にある半固定式オービスの設置場所は以下の通りです(2024年1月末時点/オービスガイド調べ)。

■阪神高速道路に新設された場所

〇12号守口線(大阪市内方面):守口料金所を通過して最初の非常駐車帯

〇13号東大阪線(大阪市内方面):長田料金所から3つ目の非常駐車帯

〇15号堺線(大阪市内方面):堺料金所から最初の非常駐車帯

■阪神高速道路に従来からある設置場所

〇阪神高速1号環状線(右回り):夕陽丘料金所横の非常駐車帯

〇阪神高速3号神戸線(大阪市内方面):大和田出口通過後の非常駐車帯

〇阪神高速11号池田線(大阪市内方面):豊中南出口500メートル手前の非常駐車帯

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