大阪府の阪神高速や栃木県の東北自動車道、そして群馬県の関越道など、近年相次いで「半固定式オービス」の拠点設置がすすんでいます。その設置場所には法則があるといいます。
■「移動式オービス」と「半固定式オービス」はどちらが優れている?
従来の「固定式オービス」と「移動式オービス」のメリットを合わせたような新たな機器の仕組み「半固定式オービス」が近年増加傾向にあります。
高速道路の路肩で四角く金網で囲まれたケージ内に、あらかじめ電源などを備えた拠点(ベース基地)を複数箇所設置しておき、1台のオービス本体をその拠点間で不規則に移動させながら運用する神出鬼没な仕組みです。
半固定式オービスの拠点は、ドライバーからは直前まで本体がセットされているのか判別は難しく、全ての拠点の近くで速度に気をつけるようになります。
固定式オービスを3か所新設するよりコストパフォーマンスは高く、メンテナンス作業も効率的に行なえます。
ただ「移動式オービスの方が神出鬼没で、さらに効果的では」と思う人もいるかもしれません、
しかし移動式オービスは警察官が近くで監視する必要があったり、バッテリー確保の問題もあるので、運用時間が数時間に限られます。
その点で半固定式オービスは24時間365日、悪天候でも動き続けます。
さらに高速道路の路肩などでの取締りは、監視する警察官にとって危険を伴うので、無人にできるメリットは大きいと思われます。
拠点は頑丈な金属製のケージで守られるほか、天井には監視カメラが備わり、イタズラ対策も図られています。
ちなみに半固定式オービスは、現在のところ全て高速道路上なので、基本的に固定式オービスと同じく制限速度プラス40キロ以上で撮影されるという説が有力です。
レーザーにより速度を計測し、違反車は白色のフラッシュでカラー撮影されます。
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筆者(オービスガイド 大須賀克巳)が長年にわたって全国でオービスの調査を行ってきた経験上、半固定式オービスの拠点が設置される場所は、以前に固定式オービスが設置されていた場所の周辺が多いようです。
新設するよりも、撤去された固定式オービスの電源や通信設備などが再利用できる場所のほうが設置も容易だからだと推察されます。
本来であれば、位置が覚えられていない全く別の場所に新設した方が速度抑止効果も大きいと思うのですが、そうカンタンにはいかないようです。