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ウインカーの「チカチカ」点滅間隔が微妙に違う理由とは 点滅速すぎたらアウト!? 同じクルマで「急に点滅速くなる」は注意のサイン

くるまのニュース 2024年3月18日 9時10分

クルマのウインカーが点滅するスピードは同じように見えて、実は微妙に異なるようです。なぜそのような違いが生まれるのでしょうか。そもそも点滅間隔には、何か基準があるのでしょうか。

■ウインカーの点滅速度 なぜバラバラ? 決まりはあるの?

 交差点で信号待ちをしているとき、前に並んでいる他のクルマのウインカーがふと目に入ることがあります。

 1台のウインカーだけを見ていると気づかないのですが、何台かを比べてみると、それぞれ微妙に違うタイミングで点滅していることがわかります。

 それは文字どおり微妙な違いなのですが、そもそもウインカーの点滅周期は、なぜそれぞれ違っているのでしょうか。

 ウインカーの仕様について、トヨタ自動車 広報部の担当者は次のように話します。

「法規に則ったクルマづくりを実施しており、そのほか特定の基準などはございません」

 他のクルマの装備と同様、ウインカーにも、道路運送車両法において技術基準が定められています。同法の第41条第2節第137条では、ウインカーの点滅回数は「毎分 60 回以上 120 回以下の一定の周期で点滅するものであること」と定められています。

 つまり、「毎分60回以上120回以下」の間で点滅すればよく、この「自由度の広さ」がクルマによってウインカーの点滅周期が異なる理由になっています。

■ウインカーの点滅速度 人間の「生理状態」に基づいている!?

 なお、こうした基準は、人間の生理状態や心理状態に基づいて設定されているといわれています。

 ウインカーを使用するのは、主に右左折や車線変更をするときです。こうした状況で「早すぎる点滅」を経験すると、人は落ち着かない感覚を抱きます。反対に、「遅すぎる点滅」の場合は、ドライバーは集中力を失ってしまいます。

 そこで、交差点などでドライバーが安全を保っていられる回数を基準にしているということです。
 
 さらに、こうした基準のなかでも、各自動車メーカーは「毎分70〜80回」という点滅間隔を選択することが多いようです。

 その理由のひとつとして、ドライバーの「やや緊張した状態」に合わせて設計しているためといわれています。

 健康的な成人の心拍数は毎分65〜80回です。これが、クルマの運転を始めると心拍数が上がりはじめ、交差点に進入するときなどはさらに高まります。このやや緊張した状態の心臓のドキドキが、毎分70〜80回というわけです。

 ウインカーを出すシチュエーションでは注意力が必要となるので、ウインカーを毎分70〜80回点滅させることでドライバーに「軽い緊張を促す」というわけです。

■同じクルマでも突然「点滅が速くなる」こともある!?

 実は、ウインカーは「電気の消費量によって」点滅速度が変わります。直感とは逆なのですが、電気消費量が「多い場合は点滅が遅く」、逆に「少ない場合は速く」なります。

 もし電球が切れた場合、電気の抵抗が減ります。これにより電気消費量も減り、高速点滅(ハイフラッシャー)が発生することがあります。これがドライバーに球切れを知らせる仕組みにもなっています。

 稀に、非常に速く点滅するウインカーを見かけることがありますが、これはほとんどの場合、どこかのウインカーの電球が切れている状態です。この場合は早急に点検する必要があります。

 一方で、このハイフラッシャー現象は「消費電力の少ないLED球へ交換したとき」にも起こり得ます。このとき、点滅速度が速まりすぎると、法定の点滅間隔を超えてしまうこともあるので、注意が必要です。それを防ぐために、点滅速度が調整できる「抵抗器」を別途取り付けることになります。

 いずれにしても、ハイフラッシャー状態は点滅速度が早すぎるため、放置したままでは保安基準を満たすことはできません。ときおりハイフラッシャー状態をカッコイイとする声もみられますが、立派な整備不良にあたります。

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