2024年3月23日、日産はコンパクトSUVの新型「キックス」を世界初公開しました。現行モデルに対しどのような進化を遂げたのでしょう。内外装デザインを中心に新旧キックスを比較します。
■デザイン一新! 力強く「モダン」に生まれ変わった新型「キックス」
日産は2024年3月23日、米国・ニューヨークで新型「キックス」を世界初公開しました。
およそ8年ぶりのフルモデルチェンジとなる新型はどういった点が進化したのでしょうか。
キックスは、北米や日本、そして欧州を除くグローバル市場で販売されるコンパクトSUVです。
現行型は2016年にブラジルで発表。その後北米では2017年に発売を開始しており、日本では外観デザインの変更を伴うマイナーチェンジ実施後の2020年より導入されています。
新型キックスのボディサイズは、全長4366mm×全幅1801mm×全高1631-1626mm、ホイールベース2657-2664mm。
現行型は全長4307mm×全幅1760mm×全高1608-1610mm、ホイールベース2619mmで、全体に少しずつサイズアップしていることがわかりますが、依然としてコンパクトなサイズを維持しています(数値は全て北米仕様)。
しかしそれ以上に新型キックスでは、外観自体もより大きく立派に見せるデザインに生まれ変わっている印象です。
ボディ上部は現行キックスとの関連性をイメージさせる丸みを帯びた形状ですが、ボディ下部はワイドに張り出したフロントマスクから続くスクエアな形状のフェンダーに生まれ変わり、SUVらしい堅牢さや力強さを感じさせます。
ボディサイドでは、高級スニーカーのソールからインスパイアされたという立体的な形状がアクセントとして施されています。
現行キックスでは、印象的なブーメラン状のリアコンビランプと、傾斜したテールゲートによる軽快なフォルムが特徴だったリアまわりでしたが、新型ではこちらも一新。
フェンダーに沿ってラウンドした形状のフルLEDテールライトを配したデザインにより、まるで上下分割式のテールゲートのようにみせています。
外観同様に、新型キックスは内装も大きく進化しています。
現行キックスのインパネまわりは、センター部のディスプレイを中心に左右へ広がる形状で、表面にソフトパッドを採用することで上質さを表現していました。
これに対し新型キックスのインパネは、大型のフル液晶メーターパネルとセンターディスプレイが左右に一体化したデュアルスクリーンが大きな特徴です。
日産では「モダンで繭(まゆ)に包まれるような感覚をもたらす」と説明しています。
室内には最大4つのUSB-Type-Cポートを備えるほか、センターコンソールにワイヤレス充電器を装備します。
加えて上級グレードには、BOSEパーソナルプラス10スピーカーオーディオシステムを採用し、運転席・助手席にはヘッドレストスピーカーも備えます。
■北米仕様はガソリンエンジンモデルのみ! 今後e-POWERの追加もある!?
パッケージングの面でも進化しています。
新型キックスでは、コンパクトなボディサイズを維持しながらも、室内空間における乗員の快適性とラゲッジスペースの確保を両立させたといいます。
なかでも荷室空間はクラストップを有するほか、ラゲッジルームの開口部もクラストップの広さ(約1024mm)だといいます。
このほか新型キックスでは、オプションで電動パノラミック・サンルーフを用意。風切音を軽減した薄型で、乗員に明るさと開放感をもたらします。
パワートレインについては、北米向け現行キックスは1.6リッター直列4気筒ガソリンエンジンを搭載するのに対し、今回発表された新型キックス 北米仕様には最高出力141ps、最大トルク190Nmの2リッター直列4気筒自然吸気ガソリンエンジンを新搭載します。
トランスミッションは現行、新型ともにエクストロニックCVTを搭載する点では変わりないようです。
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日本仕様の現行キックスは、独自のハイブリッドシステム「e-POWER」を搭載し、ガソリンエンジンモデルのラインナップはありません。
今回の北米で発表された新型キックスに関し、日本など国外での発売などについての言及はありませんでしたが、e-POWERなどの電動パワートレインが追加される可能性はありそうで、今後の新型キックスの動向についても目が離せないところです。