高速道路を走行中、突如として渋滞に遭遇に驚いた経験はありませんか。こうした渋滞末尾では、追突事故の危険もあります。不幸な事故を未然に防ぐため、ドライバーがすべきことについて紹介します。
■渋滞末尾は急ブレーキを避け「後続車への合図」も忘れずに!
週末などにクルマで出かける際、気になるのが渋滞です。特に高速道路の場合、突如として前方がつまり、慌ててブレーキを踏むシーンにもしばしば遭遇します。
不幸な「追突事故」を未然に防ぐためにも、自車が渋滞末尾になりそうなとき気を付けたいことをいくつかご紹介します。
NEXCO中日本は、「高速道路を安全にご利用いただくためのお願い」として、渋滞を発見した際は、後続車両への合図をすること、そして急ブレーキや急な車線変更は厳禁、また路肩走行も厳禁としています。
「後続車両への合図」や「急ブレーキ禁止」の狙いとは、ズバリ追突事故を防ぐためです。
内閣府がまとめた、2021年の「交通安全白書」によると、2020年中の高速道路における事故においては、車両相互の事故の割合(91.4%)がもっとも高く、なかでも「追突」が多かったそう。
渋滞末尾での急ブレーキは追突事故に繋がりやすく、急な車線変更も衝突の原因になりやすいです。
急な車線変更によって、後続車へ余計なブレーキを踏ませてしまうことで、さらなる渋滞の悪化にもつながる可能性もあります。
また渋滞が始まると、割り込まれないようにと車間距離を詰めがちにするドライバーが増えますが、これもトラブルや接触事故、渋滞のさらなる悪化につながりやすいので、控えたいところ。
車間距離をとることで、ドライバーの視界が広くなるため、いち早く危険を察知することもできます。
この際に路肩を走行するのは、そもそも道路交通法に違反する行為ですし、緊急時の救急活動の妨げとなってしまうため、万が一の故障や事故といった緊急事態以外はやめましょう。
■電光表示板などを注視しながら「渋滞を予測」して走行しよう
高速道路の場合、突発的な事故でもない限りは、渋滞の発生状況は事前に電光表示板などで示されます。
渋滞している区間を意識しながら走行し、「そろそろ渋滞に差し掛かるな」と思ったら、車間距離を多めにとりながら、数台前のクルマの動きやテールランプの点灯を注視しておきましょう。
いよいよ前が詰まってきたら、前後のクルマとの距離に注意しながら緩やかに減速します。
そしてハザードランプの点灯に加え、ブレーキペダルを複数回踏むことで後続車両に注意を促し、急接近しようとするクルマへ危険を知らせます。
また、万が一追突された事態に備えて、渋滞によって停止する際も、前のクルマとの車間距離を十分にとって停止しましょう。
ただし、車間距離の空けすぎもよくありません。
JAF(日本自動車連盟)によると、車間を空けすぎていると、そのクルマの後続が車間を詰める傾向があるといいます。
そうしたクルマは頻繁にブレーキを踏む傾向にあるため後続車が警戒し、これも渋滞の原因となるとのこと。
渋滞中や渋滞末尾では、ハザードランプの点灯に加えブレーキランプの複数点灯をするとともに、適切な車間距離をとることを意識するようにしたいものです。
※ ※ ※
JAFは「渋滞緩和策」として、車間距離制御装置(ACC:アダプティブクルーズコントロール)の活用を提唱しています。
ACCは、ここ数年の間に発売された新型車の多くに、先進運転支援機能のひとつとして標準装備されるようになりました。
システムが車間距離を一定に保ってくれることで常に安全な車間を確保でき、また、サグ部分(下り坂から上り坂に変わる部分)で、自然渋滞の原因となる「自然減速」(無意識の速度緩和による速度低下)も防いでくれます。
これにより渋滞の緩和が期待できるほか、なによりドライバーの負担も軽減できるので、有効活用しない手はありません。
こうした先進運転支援機能を積極的に活用しながら、安心・安全で楽しいドライブをしましょう。