大型連休などでは、全国各地の高速道路で渋滞が発生します。渋滞発生にはどのような原因があるのでしょうか。また過去に日本イチの渋滞スポットと言われた「大和トンネル付近」はその後、改善されたのでしょうか。
■高速道路で渋滞が起きるワケは?発生しやすい場所とは?
ゴールデンウイークや年末年始など、連休になると発生するのが高速道路の渋滞。
全国各地で渋滞は発生しますが、渋滞が起きる場所にはどのような原因があるのでしょうか。
またかつて日本イチの「渋滞スポット」としても知られた登場の大和トンネル付近は、現在どうなっているのでしょうか。
NEXCOなどのサイトでは、とくに混雑しやすい区間の渋滞予測もされており、ピーク時の混雑具合をシミュレーションすることもできます。
渋滞は交通量の多さや、工事や事故といった要因が挙げられますが、それ以外にも渋滞が発生しやすい区間には共通の特徴があることがわかっています。
高速道路のなかで、とくに渋滞が発生しやすい場所の特徴について、NEXCO中日本の担当者は以下のように話します。
「交通集中による渋滞が発生しやすい場所は、上り坂やサグ部(下り坂から上り坂に変化する箇所)。
トンネル入口など、気が付かないうちに速度低下してしまう場所や、インターチェンジ合流部など一時的に流せる交通量が不足する場所です」
つまり、上り坂やサグ部では無意識的に速度低下してしまうドライバーが多く、トンネル入口もトンネルの暗がりや圧迫感で一時的に速度が低下してしまうことがあるとのこと。
こういった速度低下が起きると、後続車との車間距離が縮まり、後続するクルマが次々にブレーキを踏むことになって渋滞が起きるという仕組みになっています。
さらに、インターチェンジ合流部や料金所付近では、合流や一旦停止に伴う一時的な交通容量の不足によって渋滞が起きることもあります。
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日本には、渋滞が起こりやすい高速道路の区間がいくつかありますが、とりわけ目立つのが東名高速道路の起点となっている大和トンネル付近です。
現状はどのような状況となっているのでしょうか。
■大和トンネルは通称「渋滞のメッカ」 その後、路線拡大で解消された? 新たな渋滞スポットも登場?
大和トンネル付近の「海老名JCT-横浜町田IC」は、渋滞が発生しやすい区間として有名で、「渋滞のメッカ」と呼ばれることもありました。
大和トンネル付近は渋滞が発生しやすい理由について、NEXCO中日本の担当者は以下のように話します。
「大和トンネル付近の上り坂やサグ部、またトンネルであることによって、速度低下が発生するため、渋滞が発生しやすい場所となっております」
こういった連休のたびに大和トンネル付近で起こる渋滞は問題視され、その対策として拡大工事がおこなわれることになりました。
現在、大和トンネル(横浜町田IC~海老名JCT)とその前後区間が片側4車線運用に。
上下線とも付加車線が1車線整備され、大和トンネル内も拡幅されています。
このことについて、NEXCO中日本の担当者は以下のように話します。
「新たに車線を設置したことにより、大和トンネル付近を流せる交通量が増加したため、大和トンネル付近をボトルネックとする渋滞は減少しました」
しかし、ドライバーのなかには「綾瀬スマートIC」に渋滞ポイントが変わっただけではないか、という意見を持つ人もいるようです。
綾瀬スマートIC付近での渋滞が懸念されている原因について、NEXCO中日本の担当者は以下のように話します。
「原因は2つあるのではないかと考えております。
1つは車線数減少箇所における交通量が多いときの車線変更による影響、2つは上り坂であることによる速度低下、この2つです。
上り線では、大和トンネル付近が流せる交通量が増加したことにより、綾瀬スマートIC付近が渋滞のボトルネックとして顕在化しています」
また、綾瀬スマートIC付近での渋滞の緩和対策として、綾瀬スマートICと大和トンネルの間に追加車線を設置することを検討していると言います。
しかしこれは、2024年3月に事業化したばかりのことで、これから関係機関と協議調整の上、計画をおこなっていくようです。
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このように、上り坂やサグ部、トンネル入口部などでは、ドライバーが無意識のうちに速度を低下させてしまい、後続車との車間距離が縮まって次々ブレーキを踏むことがきっかけで渋滞が発生します。
簡単なことではないかもしれませんが、ゴールデンウイークや年末年始などの連休のたびに大渋滞が起こっているのならば、少しでも改善できるような仕組みづくりを考えていく必要があると言えそうです。