高級車の内外装などに多用される「メッキパーツ」。光り輝く質感が特徴ですが、この“メッキ”とは一体何のことなのでしょうか。知っているようで知らないメッキについて紹介します。
■ひとことで「メッキ」といっても様々な種類がある
トヨタ「アルファード」など、多くの高級車には鏡のように輝きを放つ“メッキ”の加飾が様々な部位に施されています。
ところでこのメッキとは、一体どのようなものなのでしょうか。
たとえば大人気ミニバンのアルファード/ヴェルファイアは、その押し出し感のあるフロントグリルに代表される堂々としたスタイリングや、上質で広々した内装が評判を集め、高価格帯のモデルでありながら、長納期となるほどのヒットモデルとなっています。
あの押し出し感を強く印象付けさせるため、多用されているのがメッキパーツです。
そもそもメッキパーツの”メッキ”とは外来語ではなく、漢字で「鍍金(めっき)」と書く日本語です。
ベース素材の上に金属の被膜をのせることで質感を出したり、錆などを防止する効果があります。
メッキにも被膜にする金属によって様々な種類があり、亜鉛メッキやクロームメッキ、金メッキなど、仕上がり方もそれぞれ異なってきます。
そのなかでも、一般的にクルマに多用されているのが「クロームメッキ」です。
クローム被膜をのせているパーツの表面は、シルバーの輝きと鏡のような見た目が表現でき、高級感を演出するのに最適です。
ちなみに、グリルやインテリアに使われているクロームメッキは、本来の「金属表面に金属を皮膜を施した」のではなく、実はほとんどの場合、樹脂パーツの上に金属加工されたものです。
なおアルファードには、高級感を高めるためにフロントグリルにクロームメッキを採用していますが、兄弟車のヴェルファイアにはクロームメッキではなく「スモークメッキ」や「漆黒メッキ」が使用されています。
これらの黒系メッキは一般的に「ブラッククロームメッキ」と呼ばれていることが多いです。
クロームメッキと同様に光沢感と鏡のような輝きがありますが、スモークをかけたようなブラックの色味が組み合わせられていることで、シックでスポーティな印象を与えることができます。
■外装だけでなく「内装」にも使われる「メッキ」加工
外装ばかりではなく、インテリアにもクロームメッキを使用することで、樹脂一辺倒の内装においてアクセントとなり、ぐっと内装の質感がアップします。
そのほか、光沢感を抑えて先進性や質感を出すために「サテンメッキ(ベロアメッキ)」と呼ばれるつや消し調のメッキを使用しているモデルもありますが、これは太陽光の反射によるまぶしさを防ぐ効果もあります。
このほかにもメッキ処理には、スパッタリング塗装(スパッタリングメッキ)という特殊な塗装もあります。
ホイールなどの表面には、このスパッタリング塗装をしている場合が多いです。
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メッキパーツは鏡のような光沢感が美しいですが、汚れが付着したりするとすぐに見た目が残念な雰囲気になってしまいます。
また塗装面とは異なり、メッキ加工は通常の板金工程では修理ができないため、大きな傷や劣化がある場合はパーツ交換となってしまうことがほとんどです。
そのため洗車の際には傷などがつかないよう、特に注意して丁寧に取り扱う必要があります。
経年劣化の進行を防ぐためにも、愛車のメッキにあった専用クリーナーでやさしくクリーニングすることをおススメします。