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関越道の「都心乗り入れ」は実現するか 夢の「京葉道路直結」計画もある!? 「秋葉原IC」の可能性も!? 広域計画にある「壮大なルート」とは

くるまのニュース 2024年5月15日 7時40分

関越道は、都心とはつながっておらず、練馬ICが起点です。なぜこんな中途半端な状態になっているのでしょうか。首都高までつなげる動きは無いのでしょうか。

■国の計画に明記されている「都心延伸」計画とは

 関越自動車道は、東京から群馬県の高崎を経て新潟方面へつなぐ重要な高速道路です。
 
 その関越道は都心とはつながっておらず、練馬ICが起点となっています。なぜこんな中途半端な状態になっているのでしょうか。首都高までつなげる動きは無いのでしょうか。

 実は、関越道は「都心まで行くつもりだが、話が具体化していない」というわけではないのです。関越道の当初計画では、起点は「三鷹市」とされているのです。

 ピンと来た人もいるかもしれません。これは現在工事中の外環道のルートなのです。関越道は最終的に、練馬から南下して、中央道に直結して大団円という構想で始まったわけです。

 それはともかく、現状では練馬から都心まで行くのに、目白通りをたくさんの信号に引っかかりながらノロノロ進むことを強いられており、面倒な状態になっているのは事実です。

 せめて首都高中央環状線までつなげてくれたら、かなり便利になりそうです。

 その計画は確かに存在します。2021年の国土交通省 関東地方整備局の「新広域道路交通計画」にも明記されていて、「10号線」という便宜上の名称が与えられています。

 まだ何の検討も始まっていない「構想路線」という扱いで、地図上にグレーの丸でおおまかなルートが示されているだけですが、おおよそ目白通りに沿って、中央環状線に直結することになりそうです。

 同線は西池袋~中野長者橋がかなり離れているため、この中間あたりに位置するJCTと同時に出入口も開設されれば、沿線利用者にとって便利になるかもしれません。

■関越道と「首都高小松川線」が直通する未来も!?

 ところで、先述の「交通計画」には、さらに都心方面へ構想路線が伸びています。

 名前は「内環状線」に変わり、新目白通りとともに東進して、飯田橋で「首都高5号池袋線」と交差し、秋葉原をかすめて、両国JCTで「首都高7号小松川線」に直結するという、なんとも壮大な構想です。

 実現すれば、都心を東西に貫いて関越道と東関東道を直結するネットワークが誕生します。

 もちろん群馬・埼玉~千葉をスムーズに移動するなら、都心を避けて都市間をつなぐ外環道が整備済みです。

 しかし、もっと都心寄りの「ミクロな目線」での移動を考えた場合、「どうにもこうにも関越道まで快適なアクセス道路が見当たらない」という課題に対し、内環状線はベストな解決策を提示する存在です。

 さて、期待がふくらむ「10号線」「内環状線」構想ですが、事業化に向けて基礎検討をしていこうという、何かしらの機運はあるのでしょうか。

 答えは今のところ「NO」と言わざるを得ません。というのも、国や都、区に至るまで、近年議会で話し合われたことすら皆無に等しいからです。

 最大の理由が、周辺で複数の道路整備プロジェクトが動いているからです。外環道の東名直結や、都心環状線の日本橋区間「地下化」、さらに新地下ルート「新京橋連結路」、ほかにも新東名の御殿場区間や、東埼玉道路など、高速道路の新設だけでも目白押しなのです。

 関越道を都心へつなげる構想は、先述の国の計画にも明記されているため、「いらない」とは考えていないでしょう。ただ単に、他の今動いている計画に対し、限られた予算の中で優先順位が低いだけなのです。

 今後、それらのプロジェクトがどんどん完成していけば、いずれは「10号線」「内環状線」の出番が回ってくるはずです。

 たとえば2021年の「広域計画」で、長い間「調査中路線」となっていた東京~千葉の「第二湾岸道路」が、2024年に入って「概略ルート」を決める段階にまで話が進んでいます。次回の新たな「広域計画」策定時に、関越道の延伸部が「調査中路線」に格上げされれば、実現に向けて大きな一歩と言っていいでしょう。もっとも、そのためには地元の要望が高まる必要があります。

 検討が始まるとどんどん進んでいく道路計画。関越道の都心乗り入れも、あながち荒唐無稽な話ではないのかもしれません。

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