Infoseek 楽天

「覆面パトカー」どうやって見分ける? 「クラウン」だけではない!? 「走り方」や「ナンバー」にも注目! 共通する特徴とは

くるまのニュース 2024年6月29日 9時10分

交通取締りを行う覆面パトカーには、どのような特徴があるのでしょうか。

■「覆面パトカー」本当の見分け方は?

 警察車両のなかでも「覆面パトカー」は一般車両に“擬態”してパトロールを行っています。
 
 ぱっと見では、それが一般車両なのか覆面パトカーなのかを見分けるのは難しいですが、実はいくつかの「特徴」が存在します。

 覆面パトカーにはいくつか種類があります。主に、交通違反を取り締まるもの(以下、交取覆面)、捜査(以下、捜査用覆面)などで用いるもの、要人警護を担うものの3種類です。

 なかでも、交取覆面は、正式には「交通取締用四輪車」といい、青い制服に白いヘルメットを被った交通機動隊や高速道路交通警察隊の隊員が2人1組で運用しています。

 高速道路や幹線道路など、スピードの出やすい道路で速度違反を捕まえたり、事故処理をするほか、一時停止が必要な交差点や転回禁止場所、指定方向外進行禁止の交差点などで、違反車両を“待ち伏せ”している場合もあります。

 こうした運用の仕方から、基本的にはスピードを出して追跡しやすく、違反者などを後席に座らせて処理をしやすい、「高性能な国産4ドアセダン」が選ばれる傾向にあります。

 基本的には市販モデルと大きな差はありませんが、多くの交取覆面では「白」「黒」「グレー」「シルバー」など、彩度の低いカラーが採用されています。

 一部で例外があるものの、落ち着いた色のセダンのほうが周囲のクルマと溶け込みやすく、取り締まりがしやすいのです。

 加えて、国や都道府県の限られた予算で導入されているため、「ホワイトパール」など有償色はあまり見られず、エアロやスポイラー、コーナーセンサー、コーナーポールといったオプションも装着されていない傾向にあります。

 そして、パトカーならではの「専用装備」にも注目すべきポイントがあります。

 交取覆面にはルーフ(屋根)内蔵式の赤色灯が格納されており、車内に備わるサイレンアンプのスイッチを操作すると、ルーフに設けられたフタが反転して点灯します。

 この赤色灯を取り付けるために、ルーフの一部が四角く切り取られており、トラックやバス、大型SUVなど車高のあるクルマに乗っている場合、見分けやすいポイントと言えます。

「アンテナ」にも特徴があります。

 覆面パトカーの種類に限らず、警察車両には無線用アンテナを備えている場合が多く、かつてはトランクに自動車電話型のアンテナを取り付けたり、リアウインドウにアナログテレビ用のダイバーシティアンテナを装着するものが主流でした。

 交取覆面でもそうした装備を備えていましたが、時代の流れから一部を除いて現在は比較的小ぶりなアンテナに変わっています。

 しかし“後付け”であることから配線が少しはみ出していたり、違和感のあるアンテナということもしばしば。そもそも純正ではアンテナを備えていない車種に搭載している例もあります。

 こうした専用装備で見分けることも可能ですが、少々難しいかもしれません。

 また、リアウインドウには車内の様子が窺えないように濃いスモークが貼られている場合も多くありますが、これは一般車にも共通しているので、交取覆面独自の特徴とは言い難いでしょう。

 あるいは、「ナンバープレート」も交取覆面を見分けるポイントと言えます。

 各都道府県警察では、その管轄内で取り締まるルールがあるため、例えば千葉県警が東京都内で取り締まるといったことはなく、「他県ナンバー」ではないかもチェックしたほうがよいでしょう。

 では最も見分けやすい交取覆面の特徴とは何でしょうか。答えは「法令を遵守していること」です。

 例えばその特徴は走り方にも表れます。制限速度をぴったり守って走行することはもちろん、高速道路などで複数の車線がある場合は、必ずルールに従って左側車線を走行しています。

 追跡を開始するなどで車線変更をする場合は、きっちり「3秒前」から「その行為が終わるまで」ウインカーを点灯させるなど、まさに教本通りの運転といえます。

 ムダな加減速があったり、みだりな車線変更、追い越し車線でどんどん先に行くといった運転は絶対にしません。

 しかし、速いクルマを見つけるとすぐに車線変更して追跡を開始するため、生真面目なセダンが急に“豹変”して加速したら交取覆面だと思っていいでしょう。

 さらに、法令を遵守するという点はクルマにも表れています。

 警察では毎日、使用前に義務付けられている日常点検を欠かさず行っており、ライトの球切れなどはほとんどないことに加え、車体もピカピカに保たれています。

 リアウインドウには一般ユーザーではあまり貼られていない「車庫証明ステッカー」がきっちりと貼られ、不自然な生真面目さがにじみ出ています。

■「セダン」だけではない? どんな車種がある?

 ではセダン車が多いものの、どのような車種が採用されているのでしょうか。

 先出の通り交取覆面は、国の予算で導入されるものが多く存在するため、特定の車種が多くなっています。

 最も多いのがトヨタ「クラウン」で、このうち先代(15代目)の「クラウン」や先々代の「クラウン アスリート」が現在の主流です。

 先代クラウンでは、交取覆面のベースとして上級モデルの「RS アドバンス」ではなく、スポーティ系の廉価モデル「RS B」が採用されています。

 そのため上級モデルに備わる5スポークの大径メッキホイールや、シーケンシャルウインカー(流れるウインカー)が装備されていません。

 RS Bグレード自体がかなり少ない傾向にあるため、もし「流れるウインカーでなく16インチのホイールを履いた」RS Bが走っていたら、交取覆面の可能性があります。

「クラウン」以外の車種もあり

 トヨタ「マークX」や日産「スカイライン」は捜査用覆面と交取覆面どちらも存在。一方で、スズキ「キザシ」やトヨタ「アリオン」などは捜査用覆面として導入されたため、必要以上に緊張する必要はありません。

 珍しいものとしては、東京都の警視庁ではマークXのうち、モデリスタブランドが手掛けた「+Mスーパーチャージャー」モデルが導入されており、さらにカムリに「TRDフルエアロ」を装着したものなど、カスタムが施されているものもあります。

 また、セダン以外にも、新潟県警の日産「エクストレイル」(先々代)や埼玉県警のスバル「WRX」といった各都道府県警独自のモデルが導入されるケースもあり、このようなレアなモデルはむしろ覚えやすいでしょう。

 上記をまとめると、交取覆面は「他県ナンバーではない地味な色の国産セダン」に「不自然なアンテナと濃いスモークガラス」を備え、「法規をきっちり守って走行」し、速いクルマがいれば「ウインカーを正しく使って追跡する」動きを見せるならビンゴでしょう。

※ ※ ※

 ルールを守っていれば交取覆面や警察車両に対して何も緊張する必要はありません。

 しかし、警察車両が走行しているということは、その道路で事故が多かったり、スピードが出やすかったりする傾向にあります。

「パトカーの前だからスピード出さないようにしよう」ではなく、「パトカーがいるから気をつけなければいけないんだな」と考えて安全運転に務めましょう。

この記事の関連ニュース