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日本の中古車相場が「ロシア」の影響で下落!? 厳しい「輸出規制」のなかで「売れている」クルマも? 意外な“ロシア行き日本車”とは

くるまのニュース 2024年7月6日 12時10分

日本の一大中古車マーケットだったロシアですが「ウクライナ侵攻」により、中古車相場に大きな影響を及ぼしています。しかしそんななかで輸出が継続され人気のクルマもあるといいます。最新の中古車事情について紹介します。

■「ロシアのウクライナ侵攻」が中古車相場にも影響を及ぼしている!?

 下取りに出されたクルマは、そのまま国内で中古車として販売されるものもありますが、その多くが海外へと輸出されていきます。その最大の輸出先はロシアでした。
 
 ただ2023年8月、日本政府はロシアのウクライナ侵攻への制裁処置として中古車輸出を厳格化し、ロシアへの中古車輸出台数も激減しています。しかし厳しい規制をすり抜け、いまもロシアへは多くの日本の中古車が輸出されています。

 ロシアへの輸出が禁止されたのは、排気量1900cc超の自動車(ガソリンエンジン車、ディーゼルエンジン車)、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車(EV)。

 逆にいうと、排気量1900cc以下のガソリン車であればこの規制を免れ、輸出ができることになります。

 中古車の海外輸出事情に詳しい中古車買い取り専門店の担当者は、次のように話します。

「規制が厳格化されるまで、ロシアへは、トヨタの『ランドクルーザープラド』や『プリウス』をはじめとして、コンパクトカーやミニバン、大型SUV、それらのハイブリッド車やディーゼル車、バッテリーEVなど、雑多な種類の中古車が、非常に多く輸出されていいました」

 しかし厳しい規制が敷かれた今も、排気量1900cc以下の乗用車の場合は免れるというのは前述の通り。そのため以下のクルマが人気だといいます。

「今は、ガソリン車のトヨタ『ライズ』や『ヴィッツ』『パッソ』、ホンダ『ヴェゼル』、スバル『レヴォーグ』などが良く輸出されていいます」

 一方で、これまで多くロシアへ輸出されていたのに、規制によって輸出ができなくなったのは、前述のプラドやプリウスだけではありません。

 例えば日産「ノートe-POWER」やトヨタ「アクア」、ホンダ「ヴェゼル ハイブリッド」といったコンパクトなハイブリッドモデルは多く海を渡っていました。

 またトヨタ「ハリアー」「RAV4」、日産「エクストレイル」、スバル「フォレスター」といったミドルクラスのSUVも人気でした。

 さらに日産「セレナe-POWER」やトヨタ「ノア/ヴォクシー」のハイブリッドモデル、さらには日産「リーフ」(初代)の人気も根強かったといいます。

■ロシアへの輸出規制 中古相場に「大変動」の車種も!?

 前述の中古車買い取り店担当者によれば、日本の中古車は質が良いとの評価から、ロシアに限らずさまざまな国から需要が高いといいます。

 ただ車種によって多く輸出されていく国はまちまちです。というのは、中古車の輸入に関する規制も違えば、その国のユーザーの好みや嗜好も違うためです。

ウクライナ侵攻に対する制裁処置による「ロシアへの輸出禁止」対象になり、中古車相場の影響を受けた日産の電気自動車「リーフ」(初代)

 たとえばロシアへ多く輸出されていたランドクルーザープラドやプリウスだと、バングラデシュやパキスタン、ケニアなどへも輸出されていきます。

 世界の各地に販路があることから、ロシアへの輸出が止まっても、一般的には相場が変動するほどの影響は滅多にないといいます。

 ところがその一方で、今回のロシアへの輸出禁止規制により中古車相場が急落しているケースがあるといいます。

「リーフやフォレスターは、国内の業者向け中古車オークションで相場が半分近くまで下落してしまいました。これは規制の影響とみられます」(前出の担当者)

 愛車の乗り換えを検討しているなら、購入資金の計画に影響を及ぼす可能性もあるので、早めに買い取り店など複数の査定を受けて、自身の愛車の相場を調べておいたほうがいいかもしれません。

※ ※ ※

 中古車業界内では、ロシア向けの中古車輸出が禁止となった車種でも、第3国を経由してロシアへ中古車が流れていく抜け穴があるとの噂も聞かれます。ただこれは相場を引き上げるほどのものではありません。

 愛車がロシアへの輸出が禁止された車種に該当する場合は、下取り価格の変化について意識しておいたほうが良いかもしれません。

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