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音程が不安定な「ウゥゥゥ…」パトカーのサイレンは「エンジンの回転数で変わる」説は本当?音程やうなり方が変化する理由とは

くるまのニュース 2024年7月23日 11時10分

パトカーのサイレンを注意深く聞いてみると、たまに「ウゥゥゥ…」と音程が不安定な瞬間があります。こういった違いはなぜ起きるのでしょうか。

■「変なサイレン音」になる原因は?

 パトカーは緊急車両の一つであり、交通事故や犯罪が起こり、急いで現場に駆け付ける際など、緊急時にサイレンを鳴らして走行します。
 
 こうすることで、周囲の交通にパトカーの存在を知らせることができるからです。ほかのクルマは道を譲らないといけません。

 そんなパトカーを含めた緊急車両ですが、警光灯の明るさやサイレンの音量は、「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」の第231条できちんと定められています。

 これによると、警光灯については「前方の300m距離から点灯を確認できる赤色のもの」と規定があり、音量については「その自動車の前方20mの位置において90dB以上120dB以下であること」と決められています。

 パトカーのサイレンももちろんこの基準を満たしています。しかし、音量についての言及はありますが、パトカーサイレンの周波数やリズムについては触れられていません。

 パトカーのサイレンは通常、「ウーウー」というような一定リズムの音程で鳴らされています。

 しかし、サイレンが起動する際や、パトカーが発進・停止する際など、低音で終息していく「ウゥゥゥ…」または不安定に「ウゥゥ…ウウウウウ」と音程が変化することがある、という目撃談が見受けられます。このような音のうなりの原因は一体何でしょうか。

 エンジンの回転数などと連動しているのでは、といった意見もありますが、これについて部品製造企業である「トヨタカスタマイジング&ディベロップメント」の担当者は次のように回答しています。

「弊社の製品ではそのような関係性はありません」

 それでは、音程が不安定になる原因は他に何があるのでしょうか。まず、パトカーのサイレンが鳴らされる仕組みから見ていきましょう。

 パトカーには、サイレンを鳴らすための「サイレンアンプ」という機械が備えつけられています。

 この機械には、サイレンを鳴らしたり、警光灯を光らせるためのボタンや、スピーカー用マイクの音量を調整するためのツマミなどが備わっています。
 
 さらに、パトカーによっては、助手席の足元にあるスイッチを踏むことでサイレンが鳴り、赤色灯が点灯する「足踏み式スイッチ」が設けられていることも。

 サイレンアンプから音を発生する仕組みについて、前出の担当者は次のように話しています。

「弊社が製造している電子サイレンアンプ『e deck』では、アンプにてサイレン音の波形をつくり、スピーカーから出力しています」

 また、サイレンにおける音程やリズムなどは、モーターサイレンの音程を参考に設定しているとのことです。

 では、音のうなり方の違いはなぜ起こるのでしょうか。可能性として考えられるのは、サイレンアンプの操作方法だといいます。

 前出の担当者は「弊社製品には手動操作スイッチが付いていますので、操作方法によりリズムが一定でなくなる可能性はございます」

 どうやら、サイレンの音のうなり方の違いについて、エンジンの回転数ではなく、スイッチの小刻みな入り切りなど「操作のしかた」が影響を与えていると考えられます。

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