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日産「“2列6人乗り”ミニバン」がヤバイ! 「前列3人座れる」斬新シート&“全長4.3m”の小柄ボディ! メーカー初の“画期的ユニット搭載”の「ティーノ」とは?

くるまのニュース 2024年7月30日 6時40分

近年コンパクトミニバンが人気を博しているなか、日産はかつて前席に3人座ることができる、斬新なクルマを販売していました。一体どんなクルマなのでしょうか。

■2列シートなのに6人乗れる! 日産「ティーノ」とは?

 近年トヨタ「シエンタ」やホンダ「フリード」など、小さなボディに沢山の人と荷物を載せることができるコンパクトミニバンが人気を博しています。
 
 そんななかで、日産はかつて前席に3人座ることができる、一風変わったパッケージのクルマを販売していました。

 そのクルマは日本で1999年から2003年まで販売されていた日産「ティーノ」です。

 ボディは全長4270mm×全幅1760mm×全高1610mmと、シエンタやフリードに近しいサイズ感となっており、取り回しの良さを実現しつつ十分な居住空間と荷室容量も確保されています。

 エクステリアに関して、フロントには丸みの帯びたバンパーに、当時の日産のアイコンであったウインググリルを採用。

 ボディ自体は幅広だけど、角の取れたスタイリングなど、全体的にプレーンでヨーロッパの雰囲気を感じさせるデザインにまとめられています。

 また、カスタムとして同時期に販売していた同社のスポーツカーである「スカイラインGT-R(R33)」や「フェアレディZ(Z33)」の純正ホイールを流用して装着するのが流行っていたようです。

 一方インテリアは「5+1」をコンセプトに、前列は2人+1人、後列は3人分のシートが設置された2列シート6名乗車のレイアウトを採用。

 後部座席はユーザーが車検証の記載変更無しに脱着可能であり、座席を外すと貨物車並みのトランクスペースが生まれる利便性を兼ね備えています。

 パワートレインに関して、発売当初は2リッター直列4気筒エンジンにCVTを組み合わせたものと、1.8リッター直列4気筒エンジンに4速ATを搭載した2タイプがラインナップ。

 また2000年には日産初となるハイブリッドシステムが搭載された「ティーノ ハイブリッド」が登場。

 100台限定で生産された同車は、低回転でのトルクが大きいモーター、低燃費なエンジン、伝達効率の高いCVTの組み合わせにより、10・15モード燃費は23km/Lに達したとのことです。

 そんなユニークなシートレイアウトを採用したティーノですが、2000年のマイナーチェンジでは前席2人、後席3人の5人乗り仕様も追加。

 さらに同時期に2列シート5人乗りや3列シート6人/7人乗りのコンパクトカーやコンパクトミニバンが次々に登場し、これらの方が使い勝手や販売面でも軍配が上がった結果、2002年のマイナーチェンジでは当初の売りであった6人乗り仕様が廃止されました。

※ ※ ※

 この斬新な2列シート6人乗りのシートレイアウトは、2004年に発売されたホンダ「エディックス」や、1998年に登場したフィアット「ムルティプラ」など、同時期に販売されていた他メーカーの車種でも採用されていました。

 なお、現在ではこのレイアウトを採用しているクルマは絶滅してしまいましたが、近年のEVのように広大な室内空間を確保できたり、車内の足元がフラットになれば、再注目されるかもしれません。

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