2年ぶりに国内市場に復活したホンダ「オデッセイ」はどのようなところが魅力なのでしょうか。また、どのような人が購入しているのか、再販から約7か月が経過した今の状況はどうなっているのでしょうか。
■「オデッセイ」じゃなきゃダメな理由
2023年末に、ホンダの高級ミニバン「オデッセイ」が国内市場に復活しました。
生産工場が閉鎖される関係から、2021年12月をもって国内での販売が途絶えたオデッセイですが、再び国内市場にカムバックしたことを考えると、それだけ需要があるという見方ができます。
一体どのような人がオデッセイを求めているのでしょうか。また、オデッセイのどのようなところに魅力を感じているのでしょうか。
まず、オデッセイが国内市場で復活した理由や経緯を振り返ります。
前述のように、2021年末にオデッセイを製造していた狭山工場の閉鎖により、日本市場向け車両が生産されなくなり、ホンダの国内ラインナップから姿を消しました。
こうなるとホンダが国内で販売するミニバンは、「フリード」と2022年5月にフルモデルチェンジした「ステップワゴン」の2つとなり、コンパクトサイズとミドルサイズのミニバンのみになります。
ステップワゴンに装備が充実している上級グレードが存在していることを考えると、ホンダとしてはこれまでのオデッセイ需要は新型となったステップワゴンで対応するビジョンを描いていたのかもしれません。
しかし、「そうもいかなかった」というのが実状でしょう。ステップワゴンに上級グレードを用意しても、サイズ感や上質さなどでは、クラスが異なるオデッセイには敵わないと感じた声が多かったようです。
そう感じた顧客が多かったのか、特に販売現場からオデッセイ復活を望む声が寄せられたといいます。
このクラスのミニバンは、トヨタ「アルファード・ヴェルファイア」の独壇場となっていますが、オデッセイユーザーの乗り換え先がなく、他メーカーへ流れてしまうことを販売現場が危惧した背景もあるのでしょう。
実際、国内に復活したオデッセイのユーザーはオデッセイからの乗り換えが多いそうで、そのような状況も考えるとオデッセイユーザーの乗り換え先は、ステップワゴンでは対応できなかったことが伺えます。
国内市場に復活したオデッセイは内外装のデザインや質感、室内空間などが評価されているとのこと。
復活に伴いフロントグリルのデザインが変更され、よりワイドかつ高級感のある印象になりました。
また新たに設定された「e:HEV ABSOLUTE・EX BLACK EDITION」では、グリルにブラッククロームメッキを採用したのをはじめ、内外装の各所にブラック加飾が備わるなど、シックな高級感が演出されています。
この辺りが他のラージサイズミニバンとは異なる落ち着いた印象を与えており、オデッセイを選ぶ理由になっているのではないでしょうか。
また、ホンダミニバン独自のポイントであるサードシートの床下収納も魅力的なポイントです。
他メーカーのミニバンが跳ね上げ式のサードシート収納となっているのに対し、オデッセイやステップワゴンは床下収納となっています。
これにより、サードシート収納時は広々とした空間となっていて、積載に役立つのはもちろん、セカンドシートをロングスライドさせてくつろぐ時も開放感あふれる空間となっています。
オデッセイにしか対応できない需要があるということがオデッセイが復活した理由であり、今でも評価されているポイントだと言えます。