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全長4mで「6速MT」搭載! トヨタの斬新「FRスポーツカー」が凄い! 4人乗りで実用的な「小型クーペ」にクルマ好きが注目! 市販化待望の「S-FR」とは

くるまのニュース 2024年7月29日 7時10分

かつてトヨタが公開したFRスポーツカー「S-FR」。同車は軽量かつコンパクトなボディを6速MTで操る、魅力的なライトウェイトスポーツカーを予告するモデルでした。

■GR86より小さいトヨタ「FRスポーツカー」!

 国内外で開催される自動車イベントには、発売から間もない新型車とともに、未来のクルマを提案する魅力的なコンセプトカーも登場します。
 
 その中には、市販化を求められたにも関わらず、様々な事情から販売されなかった儚いモデルも多く存在。
 
 2015年に開催された「第44回 東京モーターショー2015」でトヨタが初公開したコンセプトカー「S-FR」も、まさにそのような1台でした。

 S-FRは、「トヨタのライトウェイトスポーツの系譜を継承するモデル」と大きな話題になったクルマで、「150万円で買えるFRスポーツ」というコンセプトもとに開発。

 購入しやすい価格設定としながらも、クルマがドライバーの意思に対して忠実に反応する軽快な操作感を実現し、日常使いでもクルマとの対話や走る楽しみを満喫できるモデルとして登場しました。

 その骨格はスポーツカーらしく、ロングノーズとワイドスタンスなレイアウトを採用。

 一方でスタイリングには丸みを帯びた親しみやすいデザインを用いて、愛着の湧く外観デザインとなっています。

 また内装もシンプルかつモダンに仕上げられ、着座したその瞬間から「走り」を予感させるインテリアデザインです。

 そんなS-FRのボディサイズは、全長3990mm×全幅1695mm×全高1320mm。

 ライトウェイトスポーツカーならではの軽量でコンパクトなボディを、6速MTを駆使して意のままに操り走行を楽しむことができます。

 それでいて4人乗車も可能と、実用性もしっかりと確保。

 パワートレインは、エンジンをフロントミッドシップに搭載して後輪を駆動する、本格的なFRレイアウトを採用します。

 このエンジンのスペックなどは公表されていませんが、最適な重量配分と独立懸架式サスペンションによって、優れたコーナリング性能を実現したと当時トヨタは説明していました。

※ ※ ※

 この東京モーターショー2015の翌年に開催された「東京オートサロン2016」でトヨタは、S-FRをレース仕様にカスタムした「S-FR レーシングコンセプト」も公開。

 こちらは大きく張り出したオーバーフェンダーや大胆なエアアウトレット(空気排出口)を備えたエンジンフード、フロントアンダースポイラーを装着するほか、カーボン製のリアスポイラーやカナードなど大掛かりなエアロパーツを採用しており、サーキットでより高いパフォーマンスを発揮するための性能を追求したモデルとなっています。

 ボディサイズはベース車よりも全長・全幅を拡大しながら全高は低くまとめられ、ますますワイド&ローの低重心スタイルを実現した同車は、ベース車にスポーティさをプラスし新たな世界観を提案するモデルとして話題となりました。

 このような経緯を経て、S-FRの市販化に向けて期待が高まりましたが、2024年現在もS-FRが発売する様子はありません。

 現代にあわせた安全性や最新技術を採用した場合、S-FRの価格帯がトヨタ「86」/スバル「BRZ」と同等になるうえ、“FRスポーツカー”というキャラクターも被ることから、S-FRの開発は白紙になったともいわれています。

 非常に完成度の高いスポーツカーだっただけに、多くの期待が寄せられつつも市販化を果たせなかった、儚いモデルだったと言えるでしょう。

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