フロントガラスやリアガラスの汚れを落とす際に噴出させる「ウォッシャー液」ですが、一般的な水道水で代用することは可能なのでしょうか。
■「ウォッシャー液」の成分は?「水道水」を入れても良い?
フロントガラスやリアガラスの汚れが気になるとき、ワイパーレバーなどに設けられたウォッシャースイッチを動かせば、「ウォッシャー液」が噴射されてガラスをキレイにすることができます。
このときに用いられるウォッシャー液とは、一体どのような液体で、また通常の水道水で代用することは可能なのでしょうか。
このウォッシャー液の主な成分は、界面活性剤とエタノール。
界面活性剤がガラスの汚れを落とし、エタノールの働きで素早く乾燥するのが特徴です。
また液体が腐ったり、液体で部品が錆びたりしないように、防腐剤や防錆材も入っています。
さらに商品によっては、シリコンやフッ素といった撥水剤を添加したものや、水垢や油膜を取る成分を含んだものなど、様々なタイプが販売されています。
では、もしカー用品店などが無い場所でウォッシャー液が切れてしまった場合に、水道水で代用しても大丈夫なのでしょうか。
これについて元自動車整備士に話を聞いたところ、「洗浄効果は落ちるものの水道水でも代用は可能です。しかしトラブルが起こる可能性があるので注意も必要です」との回答がありました。
水道水を用いた場合に起こるトラブルとして、まず挙げられるのが“水の腐敗”です。
ウォッシャー液は短い期間に使い切るものではないため、長期間タンクの中に入れっぱなしにしていると、雑菌や不純物が原因で水が腐る可能性があります。
水が腐るとカビが発生して、タンクやホースを劣化させる原因になったり、目詰まりを起こすなどのトラブルが起きることもあるでしょう。
また、水道水に含まれている不純物が原因でホースの劣化を招いたり、ウォッシャーの噴射時にミネラル成分がガラス面で固まって頑固な汚れになることも。
さらに冬場には、凍結防止成分が含まれていないことから、タンク内の水が凍ってしまう事態も考えられます。
このように、ウォッシャー液は効果的にガラスを洗浄するだけでなく、水切れがよく、また腐敗や凍結といったトラブルが起こりにくいように工夫され作られた専用の液体です。
無用なトラブルを避けるためにも、緊急事態以外は水道水で代用するのは控えておき、きちんとウォッシャー液を補充した方がオススメです。
※ ※ ※
ちなみに、ウォッシャー液がまだ残っている状態で新しいウォッシャー液を入れても問題が無いのか、先述の元整備士に聞いたところ、以下のアドバイスがありました。
「ウォッシャー液のタイプが同じであれば問題ありませんが、撥水タイプに油膜除去タイプを混ぜるといった、異なる特徴を持つウォッシャー液を一緒にするのは避けてください」
もし現在使用しているウォッシャー液とは異なるタイプを使いたい場合は、一度使い切ってから補充すると良いそうです。