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“ホンダと日産”の協業に「三菱」も参加! 両社の「OEM車」も誕生へ? 「戦略的パートナーシップ」の検討進捗報告を実施

くるまのニュース 2024年8月1日 19時41分

日産自動車と本田技研工業(ホンダ)は2024年8月1日に都内で会見を行い、戦略的パートナーシップの検討進捗に関する共同会見を行いました。2024年3月15日にも、「戦略的パートナーシップの検討を開始していた両社ですが、どのような進展があったのでしょうか。

■日産・ホンダ・三菱が協業へ

 日産自動車と本田技研工業(ホンダ)は2024年8月1日に都内で会見を行い、戦略的パートナーシップの検討進捗に関する共同会見を行いました。

 2024年3月15日にも、クルマの電動化、知能化に向けた戦略的パートナーシップの検討を開始する覚書を締結したと発表していましたが、今回は車両の相互補完や三菱自動車工業(以下、三菱)の参画などかなり具体的な検討が進んでいる様子が確認できました。

 日産とホンダは以前、合意に至った経緯について、「カーボンニュートラルおよび交通事故ゼロ社会に向けた取り組みをさらに加速するため、環境対応技術・電動化技術・ソフトウェア開発などの領域に関する強化が不可欠となることから、両社の強みを持ち合い、将来的な協業を見据えた検討が必要と考えた」と説明していました。

 協業の内容については、自動車車載ソフトウェアプラットフォーム、バッテリーEVに関するコアコンポーネント、商品の相互補完など、幅広い視点で検討を進めていくとしていました。

 今回行われた会見では、覚書に基づき協議を進めてきた両社のさらなる具体的な取り組みが明らかになりました。

 まず、次世代ソフトウェアデファインドビークル (SDV) 向けプラットフォームの領域において、基礎的要素技術の共同研究契約を締結。

 また、幅広いスコープで協議・検討を進める戦略的パートナーシップの枠組みについてもさらなる深化を図るべく、戦略的パートナーシップ深化に関する覚書を締結したといいます。

 そして、具体的に検討を進めているという“5つの領域”についても明らかになりました。

 1つ目が「次世代SDVプラットフォーム領域」。両者は、知能化領域の要となる次世代SDVプラットフォームについて、 基礎的要素技術の共同研究を行うことで合意し、研究をスタートしています。

 まず1年をめどに基礎研究を終えることを目指し、成果が出ればその後量産開発の可能性を含めて検討するとしています。

 2つ目が「バッテリー領域」。EVのキーコンポーネントとなるバッテリーについて、両社間での仕様の共通化、相互供給など、短期および中長期的な観点での協業範囲を検討していくといいます。

 両社のバッテリー技術やアセットを持ち寄ることで、個社の投資負担やリスクの分散や、ボリュームメリットによるコストダウン効果のみならず、高出力型から廉価型まで、幅広いバッテリーの選択肢を持つことが可能に。

 両社がそれぞれ供給を計画しているバッテリーが、どちらのクルマにも搭載できるようにすることを目指し、両社のEV向けバッテリーセルモジュールの仕様について、中長期視野で共通化を図ることに基本合意したとしています。

 両社は、HondaとLGエナジーソリューションとの合弁会社、L-H Battery Company, Inc で生産されたEV用リチウムイオンバッテリーについて、2028年以降北米で、本バッテリーを日産自動車へ供給することを検討していくようです。

 3つ目は、「e-Axle 領域」。両社の次世代EVに搭載を予定しているe-Axleについて、 中長期的に仕様の共通化を目指していくといいます。

 その第一ステップとして、e-Axleの基幹領域となるモーター・インバーターを共用していくとのことです。

 4つ目は、「車両の相互補完」。両社がグローバルでそれぞれ販売するモデルについて、 短期から中長期的な視野で車両の相互補完を検討していくと公表されました。

 短期的な対応として、相互補完の対象とするモデル・地域に基本合意するとともに、両者合同での商品検討体制などのアウトラインに合意したようです。

 ちなみに相互補完のモデルは、ガソリン車やEVなどだと明らかにされました。

 5つ目は、「国内のエネルギーサービス・資源循環領域」。充電、エネルギー機器や、バッテリーを活用したエネルギーサービス、充電サービスなど、国内におけるエネルギーサービス、資源循環領域についても、協業の可能性を検討していくことに合意したといいます。

 もうすでにそれぞれのエンジニアが一緒に論議をしている段階まで進捗しているという両社。今回の提携には、スケールメリットのほか、知能化・電動化の領域で力をつけていくことで強力な新興メーカーなど強力なライバルたちのスピードと戦っていく事ができるなど様々な強みがあると両社の代表たちは語りました。今後の展開にさらなる期待が高まる会見となりました。

ガッチリ手を取り合う両社代表

 2024年3月15日に行われた会見時よりもかなり具体的な検討が進んだ様子が見られるホンダと日産ですが、今回の協業検討について「100day SPRINT」を掲げ、速度感を持って取り組んで行ったといいます。

 そんな両社の仲間に三菱が新たに参画することも今回合わせて公表されました。今後三社で協議を進めることについて新たに覚書を締結したといいます。

 それぞれの代表は以下のようにコメントしています。

 日産の代表執行役社長 兼 最高経営責任者 内田 誠氏「ホンダと日産との戦略的パートナーシップに、新たな仲間を迎え入れることを大変嬉しく思います。三菱自動車は独自の技術や知見を有し、これまでも日産のパートナーとして協業を進めておりますが、三社が協業することで本パートナーシップをより大きな価値を生み出すものへと進化させ、お客さまの多様なニーズにお応えする各社ならではの商品やサービスの実現が期待されます」

 ホンダの取締役 代表執行役社長 三部 敏宏氏「100年に一度と言われる自動車業界の変革期において、日産とHondaがこれまで培ってきた技術や知見の相乗効果に加え、三菱自動車の強みと経験が加わることで、グローバルでの電動化や知能化に関する各種課題がよりスピード感を持って解決され、トップランナーとして社会変革 をリードしていけることを期待しています」

 三菱の取締役 代表執行役社長兼最高経営責任者 加藤 隆雄氏「日産 Honda 間で協業検討が進められてきましたが、今回、当社もこの検討の枠組みに参画することとしました。 電動化と知能化といった技術革新によって変化が激しい今日の自動車業界に おいて、パートナーとの協業は不可欠です。今回の3社間での検討による協業を通じ、さまざまな分野において新たな可能性を見出せるものと信じています」

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