ホンダの北米法人は「HP-Xコンセプト」を2024年8月開催の「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」で公開すると発表しました。
■40年以上の時を経て復活する「和製スーパーカー」
ホンダの北米法人は2024年7月31日、8月18日開催の「ペブルビーチ・コンクール・デレガンス」で「HP-Xコンセプト(以下、HP-X)」をレストアし、展示すると発表しました。
一体どのようなモデルなのでしょうか。
HP-Xは1984年に開催の「トリノ オート ショー」で世界初公開されたコンセプトカーで、車名の「HP」は「Honda Pininfarina」を、「X」は「experimental」を示しています。
ボディサイズは全長4160mm×全幅1760mm×全高1110mmとコンパクトなサイズながら、斬新なウェッジシェイプ形状を採用したデザインが特徴となっています。
HPの由来の通り、イタリアの名門デザイン工房であるピニンファリーナがデザインを担当。極めて低いノーズにフルガラスのキャノピー、フロントから大きくせり上がったテールを採用するなど、空力性能を特に重要視し戦闘機のようなデザインをまといました。
ドアはなくキャノピーから出入りする構造も非常に画期的で、フロントのホイールアーチからテールにかけては空力のための深いキャラクターラインが幾重にも施されるなど、スポーツマシンとしての性能も高められています。
リアは直線的なデザインを組み合わせたほか、下部には空気の抜けを良くする大型のエアロが備わり、リアまわりに存在感を与えています。
その一方で、ホワイトとネイビーのファッショナブルなカラーを採用したほか、ボディサイドからリアまで赤いラインやピニンファリーナのロゴを施すなど、機能だけでなくワンポイントのアクセントもあしらわれています。
なおボディは、軽量化のためにハニカム パネル、カーボン ファイバー、ケブラーなどを採用しています。
インテリアはパープルのファブリック素材を用いた直線的なインパネに、レッドのシートやトリムを組み合わせ、スポーティさと機能性を両立。センターコンソールにはスイッチ類が集約され、操作性と近未来感を表現しています。
パワーユニットはF2のレーシングマシンをベースにした2リッターV型6気筒DOHC 24バルブをミッドシップに配置し、後輪を駆動します。トランスミッションは5速MTを組み合わせていますが、出力などの詳細スペックは不明です。
また、HP-Xはデザインや動力性能だけでなく先進機能を追求したことも大きな特徴となっています。
インテリアには大型のインフォテインメントディスプレイが設けられ、リアルタイムテレメトリシステムやGPSによる車両の位置測定、ソナーによる道路状況警告など、現代にも活かされている先進運転支援を採用しました。
HP-Xは新時代のスーパーカーを象徴するモデルとして期待されましたが、市販には至りませんでした。しかし、1990年に発表された2シーターMRスーパーカー「NSX」にはHP-Xのさまざまな要素が取り入れられています。
今回、初公開から40年が経過しましたが、大幅なレストアが施されるとともにペブルビーチコンクールの「ウェッジシェイプコンセプトカー・プロトタイプクラス」に出展。
日本車としては50年以上ぶりにペブルビーチコンクールにエントリーするといいます。