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なぜ「ペットボトル」で「車」が「燃える」!? ちょっとした“油断”で大事件に! 炎天下の放置は「超危険」な理由とは

くるまのニュース 2024年8月6日 14時50分

2024年7月、ペットボトルが原因とみられる「車両火災」が発生しました。どのようなメカニズムで起きたのでしょうか。

■太陽光とペットボトルが思わぬ「火災の原因」に!?

 猛暑が続くなか、こまめな水分補給のためにはミネラルウォーターやスポーツドリンクなどが大いに役立ちます。
 
 しかしそんなドリンクのペットボトルが原因となって、大きな損害をあたえてしまうこともあります。

 小学校の実験で、太陽光を虫メガネで集めて黒い紙を燃やすというような実験をしたことがあるかと思います。

 虫メガネは中央に厚みがある凸レンズとなっているため、光がレンズを通過した際に折れ曲がり、1点に光を集めることができます。

 このような凸レンズの効果が予期せず発生してしまうモノとして、水のペットボトルが挙げられます。

 たとえば庭先に置いた水の入ったペットボトルに太陽光があたったことで、近くの可燃物が燃えたというような、いわゆる「収れん火災」も季節を問わず起きています。

 なかでももっとも発生しやすいのは1月だといわれています。

 冬場は太陽の位置が低く、部屋の奥まで太陽光が入り込むということと、空気が乾燥していることなどが原因とみられています。

 またこのような現象によって車両火災にもつながることもあるといい、直近では2024年7月25日、静岡県で「収れん火災」が原因と想定される火災も発生しています(出火原因は調査中)。

 この火災では乗用車が全焼し、近くに止めてあったトラックの一部が焼けています。

 報道によると、クルマのトランクに4リットルのペットボトル4本を置き、あえて熱がこもらないようにトランクリッドを開けたままにしておいたところ、直射日光がボトルに当たり火災が発生したといわれています。

 やや特殊な状況ではあったものの、キャンプなどでクルマにペットボトルを積載していた際にも起こりうる可能性もあるので、注意したい事象だと思います。

■「収れん火災」の原因はペットボトル以外にもある!?

 ペットボトルのほかには、どのようなモノが「収れん火災」の原因となり得るのでしょうか。

 消防庁によると過去に、メガネやアクセサリー取り付け用の吸盤、タイヤのアルミホイールなどによって「収れん火災」が発生した事例があるといいます。

猛暑のなかでは水分補給は必須! しかし車内に放置するのは避けましょう[画像はイメージです]

 そのなかで車内に良く置かれるものとしてはメガネがあります。

 そもそも直射日光が当たりやすいダッシュボードなどに置くと、メガネが樹脂レンズや樹脂フレームの場合高温で変形してしまう恐れがあるため、極力持ち出したほうが良いでしょう。

 また、お守りなどをガラスに吸盤で貼り付けている人もいると思いますが、色がない透明タイプの吸盤はレンズの効果により「収れん火災」が発生する可能性もあるため、同様に注意が必要です。

 なお吸盤をガラスに装着する場合は、保安基準上問題ない窓を選び、色が付いた吸盤のタイプを選ぶようにしましょう。

 そのほか、車内に持ち込むモノではないですが、タイヤのアルミホイールが「収れん火災」の原因となった場合もあります。

 国民生活センターでは、2008年にディスク面が凹面鏡のように窪んでいるメッキ加工されたアルミホイールが、車両近くの可燃物を燃やしてしまったことから、同様のホイールを装着したクルマの周辺には可燃物を置かないよう注意喚起を行っていました。

 特にメッキ加工により鏡面化され、かつホイール形状もディッシュ(皿)タイプの凹デザインの場合、ディスク面の反りが大きく光の焦点距離が短いものほど、太陽の高度が高い場合でも「収れん火災」を起こすことがあるといい、ホイールメーカーも注意喚起を行っています。

※ ※ ※

 一般的には夏の「収れん火災」の割合は少ないのものの、暑い時期はドリンクを車内に持ち込むことも多いため、ペットボトルを直射日光の当たる車内に放置しないように気をつける必要があります。

 また炭酸飲料の場合、高温になる場所に放置すると飲料自体も高温になり、炭酸ガスによる内圧も高まることで容器が変形し、最悪の場合破損する恐れもあります

 このような理由からドリンク類は車内に放置しないよう、日ごろから心掛けたいところです。

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