三菱が台湾で販売している「グランドランサー」について、さまざまなコメントが投稿されています。
■まさかの「ランサー」まだあった!?
三菱がかつて販売していた「ランサー」は、同社の主力コンパクトセダンとして、あるいは4WDスポーツモデル「ランサーエボリューション(ランエボ)」として長らく親しまれてきました。
現在は販売されていませんが、実は台湾では現在もなお独自に進化して現役で販売されているのです。これについてSNSなどではさまざまなコメントが投稿されています。
ランサーは1973年に登場しました。ベーシックなコンパクトセダンであると同時に、初代からラリーなどモータースポーツにも積極的に参加。そのベース車となる「GSR」というグレードを当初から設定しており、スポーツセダンとしての地位も確立しました。
1991年登場の4代目には、上位車種である「ギャラン」の高性能仕様に搭載される2リッター4気筒ターボエンジン「4G63型」に、ラリーで鍛えた4WDシステムを組み合わせるホットバージョン ランエボが翌年から設定。
以後、FIA世界ラリー選手権(WRC)で目覚ましい成績を残し、一躍国産スポーツセダンの代名詞として知られるようになります。
しかし、2000年代に入るとランサーの人気が低迷しはじめ、6代目の「ランサーセダン(登場時は「ランサーセディア」)」を最後に2010年に消滅。さらに、ランエボも10世代目の「X(テン)」が2016年をもって終売しました。
唯一、商用モデルで日産「AD」からOEMを受けた「ランサーカーゴ」が残っていましたが、こちらも2019年に販売終了し、国内からランサーの名称が消滅していたのです。
いっぽうで、海外では現地で独自の進化を遂げてきた車種に長らく親しまれてきた車名が使われるケースがあります。そのひとつが台湾の「グランドランサー」です。
ランサーとしては8代目にあたりますが、実質的には7代目(日本名:ギャランフォルティス)の大幅改良モデルであり、2017年に登場。
フロントには三菱の最新テーマ「ダイナミックシールド」を採用。リアまわりもLEDを用いたL字型のテールライトを装備するなど、大幅にリデザインを果たしました。
インテリアも同様に、逆台形の大型コンソールを持つ新形状を採用。メーターもフル液晶となり、近代化が図られています。
パワーユニットは1.8リッター直列4気筒「4J10型」で、最高出力139PSを発揮。トランスミッションは8速スポーツモード付CVTを組み合わせ、前輪駆動のみの設定です。かつてのランエボのような4WDターボの高性能モデルなどは設定されていません。
ちなみに、「旗艦型」と呼ばれる最上級グレードには、パドルシフトや18インチアルミホイール、サイドスカートに専用セッティングのスポーツサスペンションなどが備わり、一層スタイリッシュないで立ちとなっています。
現地の新車価格は65.2万~81.2万新台湾ドル(日本円で約285万~356万円)に設定され、主力SUV「アウトランダー」(台湾では旧型がラインナップ)の下のクラスに位置し、比較的手の届きやすいモデルとなっているのです。
今や三菱内製のセダンとしては唯一残るグランドランサーですが、SNSなどではかつてのランサーファンをはじめ、多くのユーザーが注目しているようです。
「えっ、ランサーまだ新車であったの!?」「まさか海外で生きてるとは…」など、ランサーの名称が残っていることに驚く声が多数寄せられています。
また、「日本でも売って!」「ちょっとパワーアップしてランエボとして売って欲しい」など、国内の投入を求める人も。
一方で、「セダン不人気と設計の古さゆえ、日本に再導入してもあまり売れないかもしれません」「日本じゃ厳しいだろうな…」と、国内投入があったとしてもセダン不況から指示されないのではないかと推察するコメントも見られました。